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'''生物学'''(せいぶつがく、{{Lang-en-short|'''Biology'''}})は[[生物]]や[[生命|生命現象]]を研究する[[自然科学]]の一分野。広義には[[医学]]や[[農学]]やらなんやら[[応用科学]]・[[総合科学]]も含み、狭義には[[基礎科学]]([[理学]])の部分を指す。一般的には後者の意味で用いられはることが多い。類義語として'''[[生命科学]]'''や'''生物科学'''がある(後述の#「生物学」と「生命科学」参照)。
== おーまかなトコ ==
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[[生物多様性|生物の多様性]]と生命現象の普遍性を理解するっちうことが生物学・生命科学の目的であるんや。扱う対象の大きさは、[[一分子生物学]]における「[[細胞]]内の一[[分子]]の[[行動|挙動]]」から、[[生態学]]における「[[生物圏]]レベルの現象」まで幅広い。
生物学の萌芽は[[古代ギリシア]]に見られ、[[アリストテレス]]が生物の分類法を提示しするやらなんやらしとったちうわけや。せやけど、古代ギリシアの生物学は[[生気論]]・目的論的なんやし、そへんな風な視点は現代の[[自然科学]]では基本的に否定されておる。現代生物学の系譜は、[[17世紀]]の[[科学革命]]を経て自然科学が成立した[[近世]]以降に、[[博物学]]の一領域として始まったとされる。
[[現代]]の生物学者は[[唯物論]]せやなかったら[[機械論]]の立場を取り、生物は[[有機化合物]]やらなんやらの[[物質]]から構成された複雑な[[機械]]であると見なす。理論的には生命現象はずぅぇえええぇぇええんぶ[[物理学]]の言葉で説明できるとされておる。一つ一つの要素を解明していく[[還元主義]]が有効である場面は依然存在するが、還元主義だけで複雑な生命現象を理解する試みには限界があることが理解され始めたため、生物を[[複雑系]]として扱う考えかたも発展してきておる。
生物学では、ヒトを特別な生物種としては扱わへん。せやけど、うちら自身がヒトなんやし、その研究は[[医療]]や[[産業]]やらなんやらと関連しておるため、生物学の中でヒト研究は重要であり関心も高い。「生命科学」はヒトの理解を中心とすると定義されておる。生物学研究の成果は医療や農業における基礎を提供し、応用面で人類に大きな利益をもたらしておる。生物学に関連する産業は[[バイオ産業]]と呼ばれ、[[情報技術|IT]]産業と並び発展性のある大きな[[市場]]を形成し、[[経済]]的にも重要な位置にあるとされる。生物学の知見や技術は生命の根幹に大きく関わるようになり、[[倫理学|倫理]]的・[[社会]]的な影響も注目されておる。
Portal:生物学、[[生物学に関する記事の一覧]]、[[生物学]]
[[生物学関連のスタブ項目]]
[[生物学]]
[[生物学史]]
[[生物学に関する記事の一覧]]
[[HeLa細胞]]
[[IGEM]]
[[Avida]]
[[アクアポリン]]
[[足場]]
[[アミノ基転移]]
[[アミノ基転移酵素]]
[[アラキドン酸カスケード]]
[[アンジオテンシン変換酵素]]
[[異人類]]
[[遺伝学]]
[[インキュベーター_(生物学)]]
[[インド太平洋]]
[[宇宙生物学]]
[[ウッズホール海洋生物学研究所]]
[[運動誘発盲]]
[[疫学]]
[[液性免疫]]
[[L-system]]
[[オートクレーブ]]
[[オートポイエーシス]]
[[解剖学]]
[[化学進化]]
[[下等生物]]
[[株]]
[[カリウムチャネル]]
[[代わりの生化学]]
[[棺内分娩]]
[[寄生虫学]]
[[基礎生産]]
[[キメラ]]
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[[クーリッジ効果]]
[[グルココルチコイド受容体]]
[[クローン]]
[[鯨骨]]
[[計算生物学]]
[[系統学]]
[[ケミカルバイオロジー]]
[[ケモカイン]]
[[原始生命体]]
[[恒温槽]]
[[交感神経系]]
[[交雑]]
[[恒常性]]
[[合成生物学]]
[[国際生物学賞]]
[[互恵的利他主義]]
[[古生物学]]
[[古生物学]]
[[構造主義]]
[[固着性]]
[[細胞]]
[[細胞生物学]]
[[細胞生物学]]
[[細胞性免疫]]
[[散逸構造]]
[[シークエンス]]
[[自家不和合性]]
[[シクロオキシゲナーゼ]]
[[死後硬直]]
[[自己複製]]
[[システム生物学]]
[[雌性先熟]]
[[自然史]]
[[自然発生説]]
[[自然人類学]]
[[死斑]]
[[社会生物学]]
[[ジャンゼン・コンネル仮説]]
[[種名]]
[[珠心胚実生]]
[[種族保存の欲求]]
[[植物解剖学]]
[[植物学]]
[[植物学]]
[[自律神経系]]
[[進化]]
[[真核生物]]
[[進化生物学]]
[[真菌学]]
[[神経科学]]
[[神経毒]]
[[神経内分泌学]]
[[人工繁殖]]
[[新世界]]
[[人類生物学]]
[[数理生物学]]
[[スカトロジー]]
[[性_(生物学)]]
[[生化学]]
[[生活環]]
[[生活史_(生物)]]
[[生活反応]]
[[生気論]]
[[精子]]
[[生殖]]
[[生殖]]
[[生態学]]
[[生態学]]
[[生体工学]]
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[[生物地理学]]
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[[バイオインフォマティクス]]
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[[分子生物学]]
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[[分類学]]
[[分類学]]
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[[偏性細胞内寄生体]]
[[変態]]
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[[免疫学]]
[[免疫学的検定]]
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[[溶血]]
[[卵子]]
[[陸水生物学]]
[[量子生物学]]
[[理論生物学]]
[[冷水病]]
[[ロータス効果]]
[[渡り]]
、[[生物学史]]も参照の事。
== 生物学の研究 ==
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生物学では、他の[[自然科学]]分野と同様に、記載・[[実験]]・[[理論]]といった[[科学的方法]]によって研究が行われる(ここでの「理論」は方法論としての理論を指す)。これらは独立したもんやのうて、それぞれが関連し合って一連の研究を形作る。
記載とは、詳細な[[観察]]に基づいて基礎となる事象を明らかにするっちうことなんやし、研究において最も始めに行われる。生物種を[[同定]]するための形態学的観察をはじめとして、実験操作を加えへん状態での発生現象や細胞構造の観察、生理条件下での生理活性物質の測定、ひいては[[ゲノムプロジェクト|ゲノムの解読]]も記載と言える。
実験は人為的に操作を加えることにより通常と異なる条件を作り出し、その後の変身を観察・観測するっちうことで、生物に備わっておる機構を解明したろおもてする[[実証主義]]的な試みであるんや。[[突然変異]]の誘発や、遺伝子導入、移植実験やらなんやらさまざまな手法を使う。現代生物学は実験生物学の性質がつよなっておる。実験操作は[[科学的方法]]に基づき、[[対照実験]]や[[再現性]]の確認やらなんやらにより、実験者の主観が除かれる必要があるんや。
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一方、[[進化]]や[[生物圏]]レベルの生態学研究のように実験による証明が困難である場合は、様々な[[観測]]データや[[古生物]]の[[化石]]やらなんやらを用い、比較や構造化やらなんやら理論による説明を試みる。また[[バイオインフォマティクス]]のように膨大なデータを統合して理解したろおもてする場合も、理論によるアプローチに重点が置かれる。実験を行う前に[[仮説]]を立て結果を予想したり、実験結果を解釈して抽象化や普遍化させて法則や規則性を見いだしたりするっちうことも理論の一部であるんや。こへんな風な理論面に重点を置いた分野を[[理論生物学]]、[[数理モデル]]を用おる分野を[[数理生物学]]とよぶ。これらの分野は高度に抽象化するため、対象の生物学的階層には捕われへん性質があるんや。
新たな方法論として、蓄積したデータに基づいて[[コンピュータ]]上に仮想システムを構築するっちうことで構造を理解したり、そのパラメータを変身させる[[シミュレーション]]により実験の代わりとする[[システム生物学]]も登場しておる。
=== 還元主義と複雑系 ===
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20世紀半ばの分子生物学の台頭以降、その周辺分野では、一つの遺伝子・タンパク質の機能に注目する還元主義的なアプローチが主体やったちうわけや。この手法は強力で、さまざまな生命現象を解き明かしてきたちうわけや。せやけど、分子レベルで明らかにしたことを組み合わせるだけでは、脳の活動や行動やらなんやら複雑な現象は理解しがたく、還元主義のみでは限界があることもわかってきたちうわけや。このことへの反省もあり、物理学的還元主義への傾倒から抜け出し、21世紀に入ってからは生物を[[複雑系|複雑な系]]としてそのまんまあつかう[[オーミクス]]や[[システム生物学]]等のアプローチも盛んになっておる。一方、[[生物多様性]]をあつかう伝統的な生物学や生態学では、生物の作りだす系が複雑であることは自明やったため、複雑系のような全体論は目新しいもんやおまへん。生物学の両輪であるんや、生物の多様性と普遍性に関する知見は、[[ゲノム]]解析によって結びつけられつつあるんや。
=== 大きなパラダイムシフト ===
生物学の[[パラダイム]]を大きく変えたもんには[[細胞]]の発見、[[進化]]の提唱、[[遺伝子]]の示唆、[[二重らせん|DNA の構造決定]]、[[ゲノムプロジェクト]]の実現やらなんやらがあるんや。細胞の発見やゲノムプロジェクトは主に技術の進歩によってもたらされ、進化や遺伝子の発見は個人の深い洞察によるトコが大きい。
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[[17世紀]]に発明された[[顕微鏡]]による細胞の発見は、[[微生物]]の発見をはじめとして、[[動物]]と[[植物]]がいずれも同じ構造単位から成っておることを認識させ、[[動物学]]と[[植物学]]の上位分野として生物学を誕生させることになりよったちうわけや。また[[自然発生説]]の否定によちう、いかいなる細胞も既存の細胞から生じることが示され、[[生命の起源]]ちう現在も未解明の大きな問題の提示につながっておる。
進化は[[チャールズ・ダーウィン]]をはじめとする数人の博物学者によって[[19世紀]]に提唱された能書きであるんや。それまでは経験的にも[[宗教]]的にも、生物種は固定したもんとされとったが、現在では、同じ種の中でも形質に多様性があり、生物の形質は変身するもんとされ、種の区別が困難なもんもあるちう指摘がされておる。単純な生物から多様化するっちうことで現在のような多様な生物が存在すると考えることが可能になり、生命の起源を研究可能なテーマとするっちうことができるようになりよったちうわけや。進化論は社会や思想にも大きな影響を与え、近代で最も大きなパラダイムシフトの1つやったちうわけや。
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[[遺伝]]自体は古くさかい経験的に知られとった現象であるんや。せやけど、19世紀後半、[[グレゴール・ヨハン・メンデル|メンデル]]は交雑実験から[[メンデルの法則|遺伝の法則]]を発見し、世代を経た後にも分離可能な因子、すなわち[[遺伝子]]が存在するっちうことを証明したちうわけや。さらに[[染色体]]が発見され、20世紀前半の遺伝学・細胞学による研究から、染色体が遺伝子の担体であることが確証づけられはった([[染色体説]]参照)。この過程において古典的な[[遺伝学]]が発展し、その後の分子生物学の誕生にもつながったちうわけや。
[[1953年]]、[[ジェームズ・ワトソン]]、[[フランシス・クリック]]らが、[[X線回折]]の結果から、立体模型を用いた推論により遺伝物質 [[デオキシリボ核酸|DNA]] の[[二重らせん]]構造を明らかにしたちうわけや。DNA構造の解明は、分子生物学の構造学派にとって最大の成功であるんや。相補的な2本の分子鎖が逆向きにらせん状構造をとっておるちうモデルは、[[染色体]]分配による[[遺伝]]のメカニズムを見事に説明しとり、その後の分子生物学を爆発的に発展させたちうわけや。
[[ゲノム]]ちう能書きは、ある生物種における[[遺伝情報]]の総和として提唱されたちうわけや。ゲノム ''genome'' ちう語は遺伝子 ''gene'' と、総体を表す接尾語 ''-ome'' の合成語であるんや。技術発展により[[ゲノムプロジェクト]]が可能になり、ゲノム研究は、生物学における還元論と全体論、普遍性と多様性を結びつける役割をもつようになりよったちうわけや。生物種間でのゲノムの比較により普遍性と多様性理解への糸口を与え、還元的な研究に因子の有限性を与えることで、個々の研究を全体論の中で語ることを可能にしたちうわけや。他にも様々な総体に対する研究が始まっておる([[オーミクス]]参照)。
=== 生物学の今後 ===
生物学が自然史学の一部やった時代には、記載生物学が主体やったちうわけや。現代生物学は、実験が主体になっておる。さらに将来は、ゲノムやプロテオーム研究やらなんやらで蓄積された膨大なデータを[[コンピュータ]]で処理し、そこから生命の原理に迫る[[バイオインフォマティクス|生物情報学]]が主体になるかもしれへん。急激なコンピュータの高速化と並行して、実験や観察技術、新たな分析手法の発見やらなんやら技術発展も進むやりまひょ。
純粋生物学に残された大きなテーマには[[生命の起源]]、ヒトの[[精神]]せやへんかったら[[心理学|心理]]過程、[[地球外生命|地球外生命体]]やらなんやらがあるんや。すでに起きてしもた生命の起源や進化は、実験で再現できへん。せやけど、生物物理学的・生化学的に生命(細胞)の誕生を再現する試みはあるんや。
心理学はヒトやほかの動物の行動や心理過程を研究しておるが、生物学と心理学とは、従来よりおもに神経メカニズムちう観点から関係をもってきたちうわけや。せやけど、とくにヒトの高次心理過程は、いまだ現在の生物学の知見を超える部分が大きい。今後、そういった高次心理過程も、心理学における行動・認知レベルの研究に加えて、生物学における分子レベルの、細胞レベルの、皮質のグローバルなレベルでの研究を進めることにより、両分野のあいだで統合的に説明できるようになるかもしれへん。
地球以外に生命は存在するかちう問題は、まだ生物学のテーマではおまへんと、現在のようけの生物学者は考えておる。せやけど、火星やその他の惑星、衛星の探索が進み、生命やその痕跡が発見されれば、重要なテーマの一つとなるやりまひょ。[[宇宙生物学]]も参照。
また、医学や農学やらなんやらへの応用の重要性は今後も増加していくやりまひょ。
== 生物学の諸分野 ==
生物学の諸分野は、各論・方法論・理論の視点から分類できる。各論は研究対象によちう、方法論は手法によちう、理論は普遍化された学説によって分野名がつけられはる。せやけどいずれの分野も、程度の差はあれ3つずぅぇえええぇぇええんぶの性質をあわせもっておるため、分類は便宜的なもんになる。
=== 各論 ===
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生物学の各論には、生物の[[生物の分類|系統分類]]と生物学的階層性ちう大きな2つの軸があるんや。前者によって分類する場合、代表的な分野は、[[動物学]]、[[植物学]]、[[微生物学]]の3つであるんや。それぞれは系統分類にしたがってさらに細分化できる。たとうたら、動物学の下位には昆虫学や魚類学やらなんやらがあるんや。これらの分野では、生物の特異性・多様性を重視する流れがあるんや。
一方、対象の大きさ、ゴチャゴチャゆうとる場合やあれへん、要は生物学的階層性を軸にすると、代表的な分野は、分子生物学・[[生化学]]、[[細胞生物学]]、[[発生生物学]]、[[動物行動学]]、[[生態学]]やらなんやらがある(図)。生態学は生物群の大きさによって個体群生態学、群集生態学やらなんやらに分けられはる他、対象とする場所を重視する場合は森林生態学や海洋生態学、極地生態学やらなんやらの名称も用いられはる。生物学的階層性は生物の分類に対して横断的なんやし、生物の普遍性が注目される。この軸では個体レベルを境として大きく2つに分けることができる。この視点から諸分野を見ると、個体レベル以下を扱う分野は[[分子生物学]]の影響がつよ還元主義的な傾向があり、個体レベル以上を扱う分野は全体論的な傾向があるんや。動物発生学や植物細胞学やらなんやらの分野は、この2つの軸を考えるとその領域が把握しやすい。
=== 方法論と理論 ===
方法論は各論分野に必要に応じて導入され、実際の研究を発展させるために必須なもんであるんや。理論は抽象化により総合的・普遍的な視点を各論に提供する。
最も古くさかいある方法論の一つは、生物の分類を扱う[[分類学]]であるんや。分類は生物学の基礎なんやし、進化研究の手がかりにもなる。伝統的には形態に注目して分類されとったが、近年では分子生物学の手法を取り入れた分子系統分類がさかんであるんや。生化学は化学的手法、分子生物学は [[デオキシリボ核酸|DNA]] 操作を使う方法論でもあるんや。[[分子遺伝学]]や[[逆遺伝学]]から発展した[[ゲノムプロジェクト]]や[[バイオインフォマティクス]]は、新たな方法論として脚光を浴びておる。
生物学の理論としては、[[遺伝学]]や[[進化|進化学]]が代表的であるんや。遺伝学は、[[遺伝子]]の機能を間接的に観察するゆう方法論でもあるんや。[[遺伝]]や[[進化]]の理論は、具体的なレベルでは未だ議論があるが、総論としては生物学に必要不可欠な基盤となっておる。
=== 歴史展開による分類 ===
生物学の分類として、記載生物学・比較生物学・実験生物学といった類型化もあるんや。記載・比較・実験は上記のように生物学の基本的な手法やから、こへんな風な区分は成立せんことが多いが、むしろ歴史的な展開の中での各部分に対してこの名が使われることがあるんや。それも個々の分野名にこの名を被せる例が多い。
記載生物学は、生物の形や構造を把握し、図や文で記載するっちうことを行うのを主目的とする。比較生物学はそれによって知られはるようになりよったもんを他の生物のそれと比較するっちうことから何ぞをえようとする。実験生物学は記載や比較では得られへん知識を、生物を操作するっちうことで得ようとする。従ちう、生物学はこの順番で発展する。せやけど記載はあんまりにも最低限基本的な操作やから、これを冠する例はへん。記載をせなそら科学よりどエライ昔であるんや。
たとうたら近世から近代の生物学発展の初期、[[比較解剖学]]は極めて重要な分野として独立しとったちうわけや。こら発生学に結びついて比較発生学の流れをつくり、両者融合して比較形態学と呼ばれたちうわけや。せやけどこの分野は内部造反的に実験的手法に頼る[[実験発生学]]を生み出す。
=== あいまいになる諸分野の境界 ===
20世紀に入るまで、各分野はそれぞれ独自の手法や観点で異なる対象を研究し、内容の重複はわずかやったちうわけや。せやけど、20世紀後半の[[分子生物学]]の爆発的な発展や[[顕微鏡]]やらなんやらの技術発展により、研究分野はさらに細分化されつつも、それらの境界はあいまいになり、分野の名称は便宜的・主観的なもんになってきておる。例うたら、イモリの足の再生を研究し「再生生物学」ちう名称をつこうたとしたかて、再生にかかわる[[遺伝子]]は[[遺伝学]]や[[分子生物学]]、その遺伝子が作る化学物質の性質は[[生化学]]、再生する[[細胞]]の挙動は[[細胞生物学]]、組織が正確に再生する仕組みは[[発生生物学]]、やらなんやらさまざまな分野が関連する。こへんな風な経緯から、「~学」ちう古典的な名称を、「~生物学」や「~科学」に変えることも多い。
== 生物学と関連する分野 ==
生物学は、さまざまな形で他の学問分野と関係しておる。能書き、理論、研究手法やらなんやらの面で生物学に影響を与えた自然科学の分野としては、先に発展しとった[[物理学]]と[[化学]]が挙げられはる。特に分子生物学以降は物理学の影響が強い。[[生化学]]や[[生物物理学]]やらなんやらはこれらの境界領域の分野と言える。応用科学では[[医学]]における生化学や[[生理学]]、[[解剖学]]は、[[動物学]]や[[発生生物学|発生学]]と関連し、[[農学]]における[[育種学]]は[[遺伝学]]の誕生に寄与し、その過程で近代的な推測統計学を醸成したちうわけや。また、[[数学]]は自然科学の基礎として生物学に影響を与えておるほか、特に[[数理生物学]]や[[集団遺伝学]]やらなんやらでは高度に数学的な能書き、分析手法が用いられはる。
近年では、[[ゲノム]]や[[プロテオーム]]の解析から得られはる膨大なデータを処理する必要があるため、[[バイオインフォマティクス]](生物情報学)と呼ばれる分野では[[情報学]]の方法論が取り入れられ、[[ゲノミクス]]やプロテオミクスで用いられておる。また、生命現象をシステムとして理解するっちうことを目的とする[[システム生物学]]が発展しつつあるんや。
生物学と相互に影響しあっておる分野も数多い。生態学は理論面で[[経済学]]と強い関連があり、[[地球科学]]と[[観測]]技術を共有しておる。これらの影響は、一方通行やのうて相互的であるんや。
[[人文科学|人文科学系]]の分野の中では、[[自然哲学]]の一分野である'''生物哲学'''、[[科学的方法|方法論]]としては[[科学哲学]]、倫理面を研究する[[生命倫理学]]やらなんやらが生物学と対象を共有しておる。[[科学史]]の一分野である[[生物学史]]は、生物学の歴史が研究対象であるんや。
生物学からようけの影響を受けた分野に、理論社会学や社会思想があるんや。ダーウィンといっぺん代に生き、適者生存やらなんやらの語の発案者でもある[[ハーバート・スペンサー]]や、[[エミール・デュルケーム]]は、社会の変身、特に分業の発達と構成要素の多様化を生物進化になぞらえて考察する理論を打ちたてたちうわけや。彼らの学問は社会学の中でもようけ知られておるが、スペンサーを除けば、生物学から影響を受ける量がようけ、生物学への影響は限られておる。また、生物をメタファーとして社会を説明する理論にはほかに、[[マーシャル・マクルーハン]]によるメディア論や[[梅棹忠夫]]による情報産業論やらなんやら、広く知られはったもんがようけあるんや。
システム理論や[[サイバネティックス]]は、生物学による生命体の理解を手がかりに、秩序や変身についての一般理論を構築しておる。こら社会学にも社会システム論として影響を与えておる。
== 生物学の応用と社会的責任 ==
生物学の知見と技術を応用に用おる分野は、[[バイオテクノロジー]]または生物工学と呼ばれる。遺伝子操作に重点が置かれる場合は遺伝子工学、[[胚発生|発生過程]]に重点が置かれる場合は発生工学ともいう。生物学の成果を実業に活用する産業は'''[[バイオ産業]]'''と呼ばれ、ITとやったらんで勢いのある市場なんやし、[[ベンチャー]]企業が次々と誕生しておる。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]では大学の研究者が起業するっちうことも多い。[[遺伝子治療]]、[[幹細胞]]を用いた[[再生医学]]、[[一塩基多型]] (SNPs) を用いた[[オーダねーちゃん医療]]やゲノム創薬やらなんやらが注目されておる。農業や畜産関連でもバイオテクノロジーが生かされており、これらを支える基礎研究は重要であるんや。政府や企業は多大な資金を提供し、その発展を促しておる。
応用分野に輝かしい貢献をするといっぺんに、現代生物学はさまざまな[[倫理学|倫理]]的問題を抱えておる。それらは[[ゲノム]]情報、遺伝子操作、[[クローン]]技術やらなんやら、生命の根幹に関わる技術や情報によりもたらされたちうわけや。これらは、臨床医療においては恩恵をもたらす一方で、[[差別]]や生命の軽視やらなんやら深刻な[[社会]]問題を引き起こしつつあるんや。こへんな風な課題は[[生命倫理学]]によって扱われる。また、遺伝子操作によって作られはった[[遺伝子組み換え作物]](GM作物)の[[環境]]への影響([[遺伝子汚染]])ちう問題提起がなされており、議論が行われておる。近代から現代にかけて、人間の活動によって[[環境問題|環境カンペキに破壊]]が起こり、[[生物多様性]]が急速に失われておる。生物学は観測を行い、科学的裏付けのあるデータに基づいた提唱をしたり、生態系や生物多様性について正しい情報を発信するやらなんやらの取り組みも必要であるんや。
現代生物学およびそれに携わる人々は、純粋な科学的研究成果のみやったらへんし、こへんな風な倫理的側面に対したかて熟考し議論を深め、社会的責任を果たすことが求められておる。
== 「生物学」と「生命科学」 ==
'''Biology''' ちう語は、「[[生命]]」を意味するギリシャ語の '''βίος''' (bios) と「言葉・論」を意味する '''λόγος''' (logos) から造られはったちうわけや。K. F. ブルダッハ(1800年)、G. R. トレヴィラヌス(1802年)、[[ジャン=バティスト・ラマルク]](1802年)らによって独立に用いられはったちうわけや。生物学が様々な[[生物]]を分類記載する[[博物学]]から発展したことからもわかるように、生物学には[[生物多様性|生物の多様性]]を理解したろおもてする伝統があるんや。
一方、'''[[生命科学]]''' (''Life science'') や生物科学 (''Bioscience'', ''Biological science'') ちう語は、[[分子生物学]]が誕生してから新しく作られはったもんであるんや。みなの生物に共通する「言葉」である[[デオキシリボ核酸|DNA]]を分子生物学が提供したことで、分野ごとに断片化しとった生物学が統合されつつあるんや。ほんで新たに生命科学ちう言葉が用いられはるようになりよったちうわけや。生命科学では生命現象の普遍性を重視し、心理学や人間科学までも含み自然科学の範疇を越え、ヒト研究を中心とした[[総合科学]]を目指すとされる。せやけど、生物学も生命科学も広義に解釈すると範囲は広く重なり、実際の生物研究をどちらかにわけることはややこしいことがあるんや。また「生物学」の意味も時代とともに変身しとり、しばしば「生物科学」や「生命科学」と同じ意味に使われる。
== 関連項目 ==
{{ウィキポータルリンク|生物学}}
{{Sisterlinks
|wiktionary=生物学
|wikibooks=生物学
|commons=Category:Biology
}}
* [[生物学に関する記事の一覧]]: 関連語句の一覧。
* [[生物学者の一覧]]: 著名な生物学者の一覧。
* [[ノーベル生理学・医学賞]]: ノーベル生理学・医学賞とその受賞者リスト。
* [[生物学上の未解決問題]]
* [[バイオテクノロジー]]
== 参考文献 ==
* [[ジョン・メイナード=スミス|J. メイナード=スミス]] 『生物学のすすめ』 [[紀伊國屋書店]] 1990年05月10日出版 ISBN 431400536X
* 八杉竜一ほか編著 『岩波生物学辞典』 [[岩波書店]] 1996年 ISBN 4000800876
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{{Link_FA|es}}
{{Link_FA|he}}
{{Link_FA|vi}}
[[Category:生物学|*せいふつかく]]
[[Category:自然科学]]
[[Category:理学]]
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[[ba:Биология]]
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[[bg:Биология]]
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