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▼ 社会保険 の解説を表示▼
'''社会保険'''(しゃかいほけん)とは、[[社会保障]]の分野のひとつで、国民が生活する上での[[疾病]]、老齢、[[失業]]、[[労働災害]]、[[介護]]やらなんやらの[[事故]](リスク)に備えて、事前に強制加入の[[保険]]にはおることによちう、事故(リスク)が起こった時に現金又は現物給付により生活を保障する相互扶助の仕組みであるんや。やまとでは、医療保険、年金保険、労災保険、雇用保険、介護保険の5種類の社会保険があるんや。
== おーまかなトコ ==
保険とは、事故(リスク)に備えて、社会生活を営む人が多数集まり、財貨を拠出(保険料)して、共通の準備財産をつくり、それによって個人の経済生活を安定したもんにしたろおもてする仕組み(保険方式)であるんや。保険料を主体としてできあがった財産を中心に一つの集団(保険集団)が組織され、保険集団の運営主体(保険者)と参加者(被保険者)の関係(保険関係)が生じる。あらかじめ取り決められはった共通の条件(保険事故)が生じた場合に限って保険給付の支払いが行われる。
やまとの'''社会保険'''は、それぞれの保険集団が、そのグループ構成員に'''強制加入'''を求めて、'''全国民'''(国民皆保険・皆年金)を包みこんでおる。社会保険の財源は保険料中心であるが、保険料以外の主なもんには国庫負担金があるんや。また、医療保険や介護保険の場合は、被保険者等が支払う一部負担金もあるんや。保険料は、被用者保険では被保険者本人のみやったらず事業主も負担しておる。また、保険料を軽減するために国や地方公共団体も費用の一部を負担しておるが、こら低所得者も含めて保険集団としてのまとまり(相互扶助・社会連帯)を作る側面があるんや。
== 社会保険の歴史 ==
=== 社会保険制度の創設 ===
世界で最初の社会保険制度は、1880年代に創設された[[ドイツ]]の社会保険制度であるんや。当時、[[イギリス]]等に比べて経済的に後進国やったドイツは、急速に[[第二次産業革命|産業革命]]を進め経済的発展を図るために、[[労働運動]]を抑圧する必要があり[[社会主義者鎮圧法]]が制定されたちうわけや。その反面で、[[労働者]]にアメを与えること([[福祉]]向上)とし、宰相[[オットー・フォン・ビスマルク]]は、1883年に疾病保険法、1884年に災害保険法、1889年に老齢疾病保険法を制定する[[飴と鞭]]政策を採ったちうわけや。イギリスは、古くさかい「友愛組合」ちう名の[[共済組合]]が発達しとり、労働者の生活もわりあい恵まれとったちうわけや。せやけど、20世紀に入り、ドイツ、アメリカ等の後進資本主義国が発展し、世界経済市場で競争が激化し、労働者の生活も圧迫されたため、[[デビッド・ロイド・ジョージ]]は、1911年に国民保険法([[健康保険]]と[[失業保険]])を制定したちうわけや。失業保険は、世界で最初の制度であるんや。19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパの多数の国々で社会保険制度が整備されたちうわけや。
=== 第一次世界大戦後===
1918年の[[第一次世界大戦]]の終結前後にかけて、ロシア革命により世界で最初の共産主義政権、ソヴィエト連邦が成立。また西欧においてもドイツやオーストリア等であいついで社会民主党政権が誕生。かかる歴史的な背景のもとで、戦後の社会的・経済的な混乱に起因する革命的政情を回避しつつ、国民生活の安定、ゴチャゴチャゆうとる場合やあれへん、要は労働者と資本家間のあいだで階級妥協をはかるため、ヨーロッパの資本主義各国において、失業保険と年金が整備されたちうわけや。さらに1929年に発生した世界的[[大恐慌]]は、ソ連をのぞく世界各国を不況のどん底におとし入れたちうわけや。結果、国民皆保険制度を世界で最初に導入したんは、国民社会主義を標榜するナチス・ドイツやったちうわけや。またそれまで社会保険制度に大きな関心を示さへんかったアメリカも制度の創設に踏み切らざるをえなくなりよったちうわけや。[[フランクリン・ルーズベルト]]のとった[[ニューディール政策]]の一環として、1935年に連邦社会保障法が制定され、[[失業保険]]と老齢年金が整備されたちうわけや。また1929年以降、農業集団化に端を発する一連のスターリン革命が進行しとったソヴィエトにおいても、30年代に国民皆保険制度が整備されたちうわけや。
=== 第二次世界大戦後===
[[第二次世界大戦]]中に、イギリス、アメリカ等の国は、戦後の混乱を回避するため、いちはよ対策を検討しとったちうわけや。イギリスでは、[[ウィリアム・ベヴァリッジ]]の「ベヴァリッジ報告」で提唱された社会保障計画に基づいて、戦後、相次いで各種の社会保障立法が整備されたちうわけや。[[国際労働機関|ILO]]も、第二次世界大戦中から戦後にかけて、世界各国における社会保障の整備推進のため国際的指導力を発揮しとり、1952年には「社会保障の最低基準に関する条約」(102号条約)を採択しておる。
これらの動きをはじめとして、第二次世界大戦後、世界の主要国においては、何らかの形の社会保険制度を有するっちうことになり、やまとにおいても、本格的に社会保険制度が整備されたちうわけや。
== やまとの社会保険の歴史 ==
やまとの社会保険制度は、[[第一次世界大戦]]後に1922年に制定された健康保険法をはじめ、労働者(被用者)を対象として発足しておるが、こら世界共通の現象でもあるんや。せやけど、第二次世界大戦後は、社会保障の充実の要望を背景として、一般地域住民に対する社会保険制度を整備し、全国民の生活を保障するっちうこととしたちうわけや。[[1961年]]に国民健康保険制度が完全普及される一方、国民年金制度が発足し、'''国民皆保険・国民皆年金'''が実現したちうわけや。
=== 健康保険の創設 ===
やまとで最初の社会保険制度は、1922年に制定された健康保険法により1927年から発足した健康保険制度であるんや。明治後半から昭和初期にかけて、やまとの[[産業]][[経済]]の形態が近代化したちうわけや。それに伴い[[資本主義]]体制のもとでは必然的に発生してくる貧富の差の拡大、経済不況による失業者の増大等々の内部矛盾を和らげるため、ゴチャゴチャゆうとる場合やあれへん、要は階級妥協を図る面から、労働者の生活安全対策として社会保険の必要性が高まり、労働者を対象に健康保険制度が創設されたちうわけや。1940年には健康保険法の対象外やった本社職員等を対象に職員健康保険が実施されたが、1942年の健康保険法改正により翌1943年から健康保険に統合されたちうわけや。
1938年から実施された国民健康保険制度は、労働者以外の住民を対象とし、当時の農村漁村不況対策の一環として発足したちうわけや。もともと、やまとの農村漁村の衛生状態は悪う、疾病も多発する状態にあったが、1929年に始まる世界的大恐慌は、地域住民をどエライ不安な状態にしたちうわけや。その対策として国民健康制度が企画され、幾多の曲折の後実現したが、きょうびは、[[日華事変]]が起こりやまとが戦争体制に突入した時期でもあり、本来の目的とは別に、兵力供給源である 農村漁村の保健対策としての戦時政策の側面もあったちうわけや。国民健康保険制度は、戦時中は相当の普及をみたが、戦後、財政事情の悪化に伴ってようけの市町村で休廃止され、1955年頃は、農業、自営業やらなんやらに従事する人々や零細企業従業員を中心に、国民の約3分の1に当たる約3000万人が医療保険の適用を受けへん無保険者やったちうわけや。そやから、1957年度から4ヶ年計画により全市町村に普及せしめることとし、1961年に完全普及されて'''国民皆保険'''が達成されたちうわけや。
=== 年金の創設===
やまとには、古くは明治時代から、[[官吏]]や[[軍人]]に対する恩給、官業労働者に対する退職年金があったが、民間労働者に対する公的年金制度はへんかったちうわけや。戦時下の1942年に発足した労働者年金保険制度は、前年に発足した船員保険の年金制度とともに、最初の民間労働者を対象とする年金制度なんやし、1944年に厚生年金保険に改称され対象が職員や女子にも拡大されたちうわけや。戦後、家族制度の動向や老齢人口の増加等を背景に地域住民に対する年金制度の要望が高まり、1959年に国民年金法が制定され、1961年に国民年金制度が発足し、'''国民皆年金'''が確立されたちうわけや。さらに、1985年に高齢化社会においても健全で安定した年金制度を樹立するための抜本的改革が行われ、国民年金は国民共通の基礎年金を支給する制度に改められはったちうわけや。
=== 労災保険と雇用保険の創設 ===
1947年に[[労働基準法]]が制定され、健康保険と屋外労働者を対象とする労働者災害扶助責任保険により保護されとった労働者の業務上の災害については、労働者災害補償保険制度(労災保険)として独立したちうわけや。また、終戦による失業者の増大により、失業者の生活を安定させ、社会的混乱を防ぐ必要から1947年に失業保険法および失業手当法が制定されたちうわけや。その後、雇用構造の改善、労働者の能力開発・向上その他労働者の福祉の増進のために、1975年に雇用保険法が制定され、失業保険法は廃止されたちうわけや。
=== 介護保険の創設 ===
やまとの高齢化のスピードが速かったことから、高齢者の介護問題が老後最大の不安要因として認識されて、2000年に介護保険制度が施行されたちうわけや。介護保険は、老人福祉と老人医療に分かれとった高齢者の介護制度を社会保険の仕組みで再編成したもんなんやし、世界的にもドイツに続く創設やったちうわけや。従来の社会福祉は、行政機関がサービス実施の可否、サービス内容、提供主体等を決定する措置制度の考え方であるんに対し、介護保険制度は、サービス利用者を中心に据えた利用者本位の考え方なんやし、利用者とサービス事業者が契約によりサービスを行う契約制度であるんや。介護保険を契機に、障害福祉サービスや保育サービスも措置制度から契約制度へと考え方や仕組みが変更されてきておる。
=== 関連項目 ===
*[[健康保険]]
*[[国民健康保険]]
*[[共済組合]]
*[[年金]]
*[[労働者災害補償保険]](労災保険)
*[[雇用保険]]
*[[介護保険]]
*[[高齢者福祉]]
*[[社会保険労務士]]
== 社会保険の特色 ==
社会保険は、やまとの社会保障制度の中で中核的な存在なんやし、[[生活保護]]が公費(税)による給付を行う救貧制度であるんとは違い、保険のしくみを利用して一定の事故に対する給付を行う'''防貧制度'''であるんや。また、個人の努力では救済しきれへん経済的損失を、国家または社会が集団の力で救済するゆう'''社会的目的'''のために、わて的保険とはちゃう特色を持つ。
===生活保護との違い===
生活保護(公的扶助)が、実際に困窮に陥った場合に最低生活を保障する制度(救貧制度)であるんに対し、社会保険は、生活上のリスクによる困窮を予め防ごうとする制度(防貧制度)であるんや。
*生活保護は、一定の保護要件にあてはまる人は、ずぅぇえええぇぇええんぶ扶助の対象にし、また困窮の原因が何の事故によるもんかを問わへん「無差別平等の原理」に基づいて行われる。社会保険は、被保険者である人、また保険料を負担したことのある人に限って給付の対象とし、あらかじめ決められはった保険事故に限り給付が行われる。
*生活保護は、一定の保護基準が決まっており、ようけの場合、均等の扶助が行われる「最低生活保障の原理」に基づいて行われる。社会保険は、現実の生活レベルの保障を目標とし、生活費給付の場合、その給付額は、基本的に賃金所得に比例する。
*生活保護は、保護を受ける人は、オノレの能力、その人が利用できる資産や他の社会保障の制度等をフルに活用して、なお最低生活の水準に達せん場合に、その足りへん部分を扶助される。また、民法上の扶養義務が扶助にヒイキし、扶助を受けるには、毎日毎晩壱年中資産調査が行われる。これらの「保護の補足性の原理」に基づいて生活保護が行われる。社会保険は、一定の要件を備えれば、資産や能力に関係なく給付が行われる。
===民間保険との違い===
民間保険(わて的保険)が、三つの原則(給付・反対給付均等の原則、保険技術的公平の原則、収支相当の原則)を保険のしくみの基礎としておるんに対して、社会保険(公的保険)では、この原則は貫かれておらへん。こら、目的の一つが、所得の再分配にあるさかいであるんや。
*民間保険は自由加入制であるが、社会保険は、一定の要件に該当する者を当然の対象とする'''強制加入'''を原則とする。
*民間保険は、保険契約者の個別的な経済需要と保険料支払い能力により、保険給付額が決定される「給付・反対給付均等の原則」であるが、社会保険は、平均的社会的必要に基づいて保険給付額が決定される。
*民間保険は、事故の起こる危険の度合いにより払い込む保険料の額が決まる「保険技術的公平の原則」なんやし、危険率に応じて保険料が決まる「個別保険料主義」を採用しておるが、社会保険は、被保険者全体の平均危険率と被保険者の負担能力(所得)を基にした「平均保険料主義」が採用されておる。
*民間保険は、保険事業の支出はずぅぇえええぇぇええんぶ保険料収入とその運用益でまかいなわれるが、社会保険は、国・地方公共団体が保険料の一部を負担または補助するっちうこともあり、事業主も保険料を分担する場合があるんや。また、運営に要する事務費は、原則として国や地方公共団体が負担しておる。
===関連項目===
*[[生活保護]]
*[[保険]]
==社会保険の種類==
===給付による分類===
一時的な労働不能の保険事故には、病気やけが、出産、失業やらなんやらがあり、医療給付や手当金等の短期給付が行われる。永続的な労働不能の保険事故には、障害、老齢、死亡やらなんやらがあり、年金等の長期給付が行われる。また、発生原因により、業務上と業務外の区別があるんや。給付の性質により現物給付と現金給付があるんや。医療保険、介護保険、労災保険(療養費)は現物給付なんやし、年金保険、雇用保険、労災保険(療養費以外)は現金給付であるんや。
*[[医療保険]]
**[[健康保険]]-一般民間被用者
**[[船員保険]]-船員
**[[国民健康保険]]-自営業、無職者等の一般住民
**[[共済組合]](短期給付)-公務員・わて立学校教職員等
*[[年金保険]]
**[[国民年金]]-自営業、無職者等の一般住民(せやけど、全国民が基礎年金として加入)
**[[厚生年金]]-一般民間被用者・船員
**[[共済組合]](長期給付)-公務員・わて立学校教職員等
*[[介護保険]]-40歳以上の全国民
*[[雇用保険]]-一般民間被用者
*[[労働者災害補償保険]](労災保険)-一般民間被用者
===対象者による分類===
被用者を対象とする社会保険と一般住民を対象とする社会保険に大別されるが、医療事務では、一般住民が加入する「国保(国民健康保険)」に対し、被用者保険を「社保(社会保険)」と呼ぶことがあるんや。
また、企業では、健康保険と厚生年金保険の2つを合わせて「社会保険」、雇用保険と労災保険の2つを合わせて「[[労働保険]]」と呼ぶことがあるんや。
主に[[国]]または[[地方公共団体]]が直接管理・運営するが、企業やその業界団体が健康保険組合や厚生年金基金を公法人として設立し、管理・運営するっちうことができる。
*被用者
**会社員-[[健康保険]]、[[厚生年金保険]]、[[雇用保険]]、[[労働者災害補償保険]](労災保険)
**公務員-[[共済組合]](短期給付)、[[共済組合]](長期給付)、退職手当、公務員災害補償
**船員-[[船員保険]]、[[厚生年金保険]]、
*一般住民
**自営業者等-[[国民健康保険]]、[[国民年金]]
==関連項目==
*[[社会保障]]
*[[社会保険庁]]
*[[社会保険労務士]]
==参考文献==
*高橋茂樹編集『公衆衛生対策講座』株式会社MEC、2004
*高橋茂樹他『STEP公衆衛生第5版』海馬書房、2002-10-22、ISBN 4-907704-20-8
*『社会保険の常識(社労士講座テキスト)』やまと経営教育センター
*Jose Harris([[柏野健三]]訳)『ウィリアム ベヴァリッジ(上・中・下)』ふくろう出版、1995・1997・1999年
*HMG(英国政府)([[柏野健三]]訳)『新福祉契約 英国の野心』帝塚山大学出版会、2008年
==外部リンク==
*「[http://www.sia.go.jp/infom/text/index.htm 社会保険制度(平成20年度版)]」 [http://www.sia.go.jp/ 社会保険庁]
*「[http://www.sia.go.jp/seido/index.htm 社会保険制度]」 [http://www.sia.go.jp/index.htm 社会保険庁]
*「[http://www2.mhlw.go.jp/topics/seido/daijin/hoken/980916_1.htm 労働保険制度]」 [http://www.mhlw.go.jp/ 厚生労働省]
*「[http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/topics/0603/index.html 介護保険制度改革のおーまかなトコ]」 [http://www.mhlw.go.jp/ 厚生労働省]
[[category:社会保険|*]]
[[category:社会保障|しやかいほけん]]
[[category:保険|しやかいほけん]]
[[category:家計|しやかいほけん]]
[[de:Sozialversicherung]]
[[en:Social insurance]]
[[eo:Sociala asekuro]]
[[ko:사회 보험]]
[[lt:Socialinis draudimas]]
[[lv:Sociālais nodoklis]]
[[pl:Ubezpieczenia społeczne]]
[[ru:Социальное страхование]]
[[sk:Sociálne poistenie]]
[[th:ประกันสังคม]]
[[uk:Соціальне страхування]]
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