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▼ 脳梗塞 の解説を表示▼
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{{Infobox_Disease
| Name = 脳梗塞
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| Caption = [[CT]]スキャンの脳断面図。右翼半球が虚血による脳梗塞を起こしておる(画像の左翼側)。
| DiseasesDB = 2247
| ICD10 = {{ICD10|I|61||i|60}}-{{ICD10|I|64||i|60}}
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| OMIM = 601367
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| eMedicineSubj = neuro
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'''脳梗塞'''(のうこうそく、cerebral infarction/stroke、別名:'''脳軟化症'''(のうなんかしょう))とは、[[脳]]を栄養する[[動脈]]の閉塞、または狭窄のため、[[脳虚血]]を攻めて来よったし、脳組織が[[酸素]]、または栄養の不足のため[[壊死]]、または壊死に近い状態になる事をいう。また、それによる諸症状も脳梗塞と呼ばれる事があるんや。なかそやけど、症状が激烈で([[片麻痺]]、[[意識障害]]、[[失語]]やらなんやら)突然に発症したもんは、他の原因によるもんも含め、一般に[[脳卒中]]と呼ばれる。それに対して、緩徐に進行して[[認知症]](脳血管性認知症)やらなんやらの形をとるもんもあるんや。
やまと人の死亡原因の中でもようけを占めておる高頻度な[[疾患]]である上、後遺症を残して[[介護]]が必要となることがようけ[[福祉]]の面でも大きな課題を伴う疾患であるんや。余計なお世話やけど「脳軟化症」の名の由来は、脳細胞は壊死すると溶けてまうため(「融解壊死」ちう)こう呼ぶ。
==分類==
脳梗塞は、血管が閉塞する機序によって血栓性・塞栓性・血行力学性の3種類に、また臨床分類としてアテローム血栓性脳梗塞・心原性脳塞栓・ラクナ梗塞・その他の脳梗塞の4種類に分類される(NINDS: National Institute of Neurological Disorders and Stroke米国国立神経疾患・脳卒中研究所による分類)。
=== アテローム血栓性脳梗塞 ===
[[動脈硬化]]によって動脈壁に沈着した[[アテローム]](粥腫)のため動脈内腔が狭小化し、十分な脳血流を保てなくなりよったもわ。また、アテロームが動脈壁からはがれ落ちて末梢に詰まったもんもアテローム血栓性に分類される。
アテロームは徐々に成長して血流障害を起こしていくことから、その経過の中で側副血行路が成長するやらなんやらある程度代償が可能で、壊死範囲はそれほど大きくんやったらへん傾向があるんや。
また、脳梗塞発症よりどエライ昔から壊死に至らへん程度の脳虚血症状([[一過性脳虚血発作]]、TIA)を起こすことがようけ、このTIAに対する対処が脳梗塞の予防において重要であるんや。
リスクファクターは、[[喫煙]]、[[肥満]]、[[糖尿病]]、[[高脂血症|脂質異常症]]、[[高血圧]]やらなんやら。予防は、抗血小板薬([[アスピリン]]・チクロピジン・クロピドグレル・シロスタゾール・ジピリダモールやらなんやら)によってアテロームの成長を抑制するっちうこと、高血圧・糖尿病・脂質異常症は原疾患に対する加療・コントロールを行うこと、また飲水を心がけて血流を良好に保つことであるんや。
アテローム血栓性脳梗塞もいくつかの機序によって起こることが知られておる。一般的に血栓症は動脈硬化による閉塞であるんや。[[心筋梗塞]]の場合はプラークの破綻によって急激に[[冠動脈]]が閉塞する場合がほとんどやけど脳梗塞の場合はいくつかの機序が知られておる。まずは心筋梗塞と同様にプラークが破綻する場合があるんや。粥腫に富み、線維性皮膜が薄い場合は不安定プラークとええ、こういったプラークは容易に破綻し、血栓による動脈閉塞をおこす。血管が閉塞、狭窄するとその灌流域が血液途絶を起こし皮質枝梗塞を起こす。狭窄部が急激な血管閉塞を起こすと心原性脳塞栓と類似した脳梗塞が発生する。こういったことは頭蓋外の[[内頸動脈]]や頭蓋内の脳主幹動脈に多(血行力学性によるもん参照)い。また、血管の閉塞や高度の狭窄によって血液供給の境界領域(watershed)が乏血状態となり、さらに血圧低下やらなんやらの血行動態的要因が加わり梗塞が生じる。こういったことは中大脳動脈や内頚動脈に多い。内頚動脈に高度狭窄があり、支配領域の脳血流量低下を伴っておる場合には、表層前方では前大脳動脈・[[中大脳動脈]]皮質枝の境界、後方では中大脳動脈・後大脳動脈皮質枝の境界領域が最も乏血状態に陥りやすいので梗塞をきたしやすい。深部では中大脳動脈皮質枝と穿通枝の境界領域に起こりやすい。この機序によっておこる場合は発症後段階的階段状の進行、悪化が見られはる(progressive stroke)。発症時間は夜にようけ、起床時に気がつくことも多い。もともと極めて慢性に進行してきたと考えられ、こういった梗塞をおこす患者は側副血行路が豊富にある場合がようけ、代償が可能な間は臨床症状が乏しいこともあるんや。他には動脈硬化が原因の脳梗塞としてartery to artery embolism(A to A)ちうもんがあるんや。内頚動脈や[[椎骨動脈]]のアテローム硬化巣から血栓が遊離して末梢の血管を閉塞する。皮質枝にも穿通枝にも塞栓を起こしえる。心原性脳塞栓と同様活動時突発性発症が見られやすい。画像上は典型的には皮質枝、即ち[[大脳皮質]]に[[核磁気共鳴画像法|MR]]I[[拡散強調画像]] (DWI) で高信号域を認め、散在性小梗塞巣といった形を取りやすい。もちろん小型ちうんは他のアテローム血栓性脳梗塞よりはちうことでラクナ梗塞よりは大型の病変となる。アテローム硬化には好発部位があるんや。基本的にはやまと人には中大脳動脈に多い。せやけど近年は欧米と同様、頸部内頸動脈の起始部に最もようけなっておる。他の好発部位としては内頚動脈サイフォン部、椎骨動脈起始部、頭蓋内椎骨動脈、脳底動脈であるんや。
アテローム血栓性脳梗塞は他の病型よりも一過性脳虚血発作が先行しやすいと言われておる。閉塞動脈の支配領域の症状を繰り返しやすいゆう特徴があるんや。内頸動脈病変では一過性黒内障が有名であるんや。こら眼動脈、網膜中心動脈領域の虚血が起こり、患側の視力が一過性に消失する。典型的にはカーテンが目の前に降りて行くように暗なると患者は訴える。椎骨動脈では回転性めまいや嘔吐、構音障害が起こりやすい。発作の頻度が重要なんやし、短時間に頻回起こっておる場合はcrescend TIAと呼ばれ、主幹動脈の高度狭窄の存在が示唆される、持続時間の延長は脳梗塞の危険が切迫しておると考えられはる。初回TIAが起こってから
1か月以内が最も脳梗塞が起こりやすいといわれておるため、入院精査と治療が必要と言われておる。アテローム血栓性のTIAやったらば抗血小板薬を、心原性やcrescendo TIAでは抗凝固療法を行うことが推奨されておる。
{| border="1" cellpadding="3" cellspacing="0" style="margin:auto; text-align:left;"
|- style="text-align:left; background-color:#CCCCCC;"
!nowrap| !!nowrap|内頸動脈系!!nowrap|椎骨動脈系
|-
|運動障害||症状は片側性||多彩、交代性片麻痺、drop attack 、対麻痺
|-
|感覚障害||通常は片側性||多彩
|-
|視力障害||一過性黒内障||両側性視力障害
|-
|視野障害||同名半盲||中心回避型視野欠損、片側、両側の[[同名半盲]]
|-
|小脳症状||へん||運動失調、動揺歩行
|-
|脳神経症状||稀||構音、嚥下障害、複視
|-
|回転性めまい||へん||ある
|-
|失語||ある||へん
|-
|発作回数||少なく、発作ごとに症状は同じ||多い、発作ごとに症候は変動する
|-
|脳梗塞への移行||移行しやすい||移行しにくい
|}
脳神経系の障害は上位ニューロン障害を起こすと内頸動脈系でも起こりうる。中心前回やらなんやらが中大脳動脈に還流されるさかいであるんや。
;TIA(一過性脳虚血性変身)
[[TIA]]に関しては定義の混乱が認められはる。1990年の厚生省の基準では「脳虚血による局所神経症状が出現するが24時間以内に(ようけは1時間以内)完全に消失しかつ頭部CTにて責任病巣に一致する器質性病変が認められへん」とされとったがその後のMRIの普及によちう、上記の定義を満たしてても拡散強調画像で高信号域を認めることがどエライようけ、脳梗塞の経過をとるもんも認められはったちうわけや。そのため2002年The TIA working groupでは「TIAとは局所脳虚血せやへんかったら網膜虚血が原因による短時間の神経症状による症状なんやし、通常は1時間以内に症状は消失し急性脳梗塞の所見を伴わへんもん」としたちうわけや。いずれにせよ、緊急MRIが行えるか否かで診断名は変わってまうゆうことであるんや。
=== 塞栓性(脳塞栓症)(embolism) ===
脳血管の病変やのうて、より上流から流れてきた[[血栓]](栓子)が詰まることで起こる脳虚血。それまで健常やった血流が突然閉塞するため、壊死範囲はより大きく、症状はより激烈になる傾向があるんや。また塞栓は複数生じることがあるんで、病巣が多発するっちうこともようあるんや。原因として最も多いんは[[心臓]]で生成する血栓なんやし、そのほとんどは[[不整脈]]([[心房細動]])に起因する心原性脳塞栓であるんや。このほか、ちぎれた[[腫瘍]]が流れてきて詰まる腫瘍塞栓や[[脂肪塞栓]]・空気塞栓やらなんやらもこれに含まれるが、稀な原因であるんや。シャント性心疾患(卵円孔開存)やらなんやらも原因となる。
脳塞栓症では高率に(30%以上)[[出血性梗塞]]を起こしやすい。こら閉塞後の血管の再開通によちう、梗塞部に大量の血液が流れ込み、血管が破綻するっちうことによりおきる。心原性塞栓症の際に抗血小板療法や抗トロンビン療法が禁忌である理由はこれを起こさへんためであるんや。
心房細動は無症状のこともようけ心機能もそれほど低下せんため、特に無症状の場合は合併する脳塞栓の予防が最も重要になる。[[心房]]が有効に収縮せんため内部でよどんや[[血液]]が凝固して血栓となるが、すぐには分解されへんほどの大きな血栓が流出した場合に脳塞栓の原因となる。特に流出しやすいのが心房細動の停止した(正常に戻った)直後であるため、心房細動を不用意に治療するんは禁忌となる(せやけど、心房細動開始後48時間以内やったら大きな血栓は形成されておらず安全とされる)。
予防には[[抗凝固薬]]([[ワルファリン]])を用おる。抗血小板薬と併用するっちうことで予防効果が高まるちう明確な根拠はなく、現在は抗凝固療法単独の治療が行われておる。
=== ラクナ梗塞 ===
ラクナ梗塞は本来、直径15mm以下の小さな梗塞を意味する。古典的には下記に示した5つの病型に含まれ、穿通枝領域に病変があり、皮質は病変に含まれへん。書物によっては無症候性ラクナ梗塞ちう疾患も定義されるが無症候性ラクナ梗塞と慢性虚血性変身の区別が難しく古典的には無症候性ラクナ梗塞はラクナ梗塞に含まれへん。ラクナ梗塞は上記の2種類とはちごた機序が関わっておるとみられておることからそれ自体がひとつの分類となっておる。
主に中大脳動脈や後大脳動脈の穿通枝が[[硝子変性]]を起こして閉塞するゆう機序による。せやけど中大脳動脈穿通枝のうち、レンズ核線状体動脈の閉塞では、線状体内包梗塞と呼ばれる径20mm以上の梗塞となることがあり、[[片麻痺]]や感覚麻痺・[[同名半盲]]やらなんやらの症状が現れることもあるんや。後大脳動脈穿通枝の梗塞では、ウェーバー症候群やベネディクト症候群(赤核症候群)を起こすことがあるんや。リスクファクターは高血圧。症状は片麻痺や構音障害やらなんやらであるが、軽度または限定されたもんであることがようけ、まるっきし無症状であることも多い。[[意識障害]]を認めることはほとんどなく、[[失語症]]、[[半側空間シカト]]、病態失認といった神経心理学的な症候(皮質症候)も通常は見られへん。
'''多発性脳梗塞'''とよばれるもんのほとんどはこのラクナ梗塞の多発なんやし、多発するっちうことで[[認知症]]・[[パーキンソニズム]](脳血管性パーキンソン症候群)の原因となることがあるんや。
ラクナ梗塞であるんかアテローム血栓性脳梗塞であるんかは、ラクナ梗塞のタイプを知っておると分かりやすい。症状が軽い、梗塞巣が小さいだけでは鑑別が難しなることもあるさかいであるんや。特徴としては感覚障害と麻痺がいっぺんに存在せんタイプがラクナ梗塞ではありえるちうことであるんや。
{| border="1" cellpadding="3" cellspacing="0" style="margin:auto; text-align:left;"
|- style="text-align:left; background-color:#CCCCCC;"
!nowrap|ラクナ症候群!!nowrap|症候!!nowrap|責任病巣
|-
|Pure motor hemiparesis||顔面を含む[[片麻痺]]、感覚障害なし||対側の放線冠、[[内包]]後脚、橋底部
|-
|Pure sensory stroke||半側の異常感覚や感覚障害||対側の視床(後腹側核)
|-
|Ataxic hemiparesis||一側下肢に強い不全片麻痺と小脳失調||対側の橋底部、内包後脚、放線冠
|-
|Dysarthria-clumy hand syndrome||構音障害と一側の巧緻運動障害||対側の橋底部、内包後脚、放線冠
|-
|Sensori-motor storoke||半側の感覚障害と同側の片麻痺||[[視床]]から内包後脚
|}
視床梗塞では手掌・口症候群ちうもんが知られておる。視床外側に病変があることがようけ、一側の手掌と口角周囲に限局したしびれ感、異常感覚をきたすもんであるんや。[[視床]]の核内で手掌と口角のねきを支配する部位が隣接するため生じると考えられておる。ラクナ梗塞以外では視床症候群が起きることが多い。これも病変の大きさの問題と考えられておる。
;BAD(branch atheromatous disease)
ラクナ梗塞とアテローム血栓性脳梗塞の中間となる病態にBADと呼ばれるもんがあるんや。BADとは穿通枝が主幹動脈からの近傍で閉塞するっちうことによって生じる穿通枝領域の梗塞であるんや。穿通枝の病変であるが高血圧性の血管壊死を起こさへんし、アテローム硬化が原因であり長径15mm以上の梗塞を起こす。ラクナ梗塞の診断のもと抗血小板療法を行うが徐々に症状が悪化する例が報告されとったが、これがBADちう能書きに纏められはったちうわけや。レンズ核線条体動脈(特に外側線条体動脈)、視床膝状体動脈、前脈絡叢動脈、Heubner反回動脈、視床穿通動脈、傍正中橋動脈領域でBADは起る。特に外側線条体動脈、傍正中橋動脈は好発部位であるんや。よって外側線条体動脈の支配領域である[[大脳基底核]]や傍正中橋動脈の支配領域である橋腹側でラクナ梗塞を疑う症状、病変をみたらBADの可能性を考える。アテローム血栓性脳梗塞に基づいて抗凝固療法を行うべきと考えられておるが治療法は確立しておらへん。
=== 血行力学性(hemodynamic)によるもん ===
一時的に[[血圧]]が下がったために、脳の一部が十分な血流を得ることができなくなって壊死に陥ったもわ。血栓性や塞栓性では壊死しにくい分水嶺領域に発症するっちうことが特徴的であるんや。分水嶺領域(Watershed Area)とは、どの動脈に栄養されておるかで脳を区分した時に、その境目に当たる区域のことであるんや。この部分は、一方の動脈が閉塞したかてもう一方から血流が得られはるため動脈の閉塞に強い。せやけど、動脈本幹から遠いため血圧低下時には虚血に陥りやすいのであるんや。診断名ではアテローム血栓性脳梗塞になる。
=== 解離(dissection)によるもん ===
動脈内膜の損傷により、内膜と中膜の間に解離腔が形成される。外傷でも起こるが自然にも生じる。解離のために動脈内腔が狭窄したり閉塞したり外膜に動脈瘤様の拡張をきたしたりする。近年は椎骨動脈系で多い。大したリスクのへん若い人が突然の後頸部痛に伴って発症するっちうことが多い。[[ワレンベルグ症候群]]を呈するっちうこともようあるんや。脳動脈解離は画像診断の進歩によって明らかになりよった能書きなんやし、若年性脳梗塞の最大の原因なんやし、[[クモ膜下出血]]の原因としたかて重要であるんや。クモ膜下出血を認める椎骨動脈解離は致死的な再出血を予防するために直ちに外科的手術を行う。血管内治療が第一選択となる。解離腔と後下小脳動脈、前脊髄動脈、穿通枝の位置関係、対側椎骨動脈の灌流状況を確認し、血管内治療、開頭手術(バイパス術含め)せやへんかったらこれらを組み合わせて治療を行う。外科的治療が困難な場合は再出血防止のための保存的治療を行う。
クモ膜下出血を伴わへん頚部動脈解離では保存的治療が第一選択となる。心筋梗塞と[[大動脈解離]]は治療が大きく異なるが、脳動脈解離では治療は脳梗塞に準ずる。解離や出血の誘発を行わへん程度に脳梗塞の治療を行う。カタクロット®やバイアスピリン®といった抗血小板薬は未破裂動脈瘤の出血率を上昇させへんゆうエビデンスがあるため、血圧を正常からやや低めに保ち抗血小板療法を行う。解離の進行が認められはったら外科的処置を検討する。近年は[[ステント]]やらなんやら外科的な治療も試みられており、特に慢性閉塞性血管障害ではよい適応となっておる。
=== 血管炎によるもん ===
[[抗リン脂質抗体症候群]]、[[全身性エリテマトーデス]]によるもんが若年性脳梗塞の原因として考えられておる。
=== まとめ ===
{| border="1" cellpadding="3" cellspacing="0" style="margin:auto; text-align:left;"
|- style="text-align:left; background-color:#CCCCCC;"
!nowrap| !!nowrap|心原性脳梗塞!!nowrap|アテローム血栓性脳梗塞!!nowrap|ラクナ梗塞
|-
|割合||30~40%||30~40%||30~40%
|-
|発症形式||突発完成、重症||段階進行||比較的緩徐、軽症
|-
|既往歴、危険因子||心房細動や弁膜症||高血圧、糖尿病、高脂血症||高血圧、糖尿病
|-
|合併症||心不全||虚血性心疾患、下肢動脈閉塞症||特になし
|-
|内科的治療||抗凝固薬||抗血小板薬||慢性期に降圧薬やらなんやら
|-
|外科的治療||なし||ステント、内膜剥離術||なし
|}
心原性脳梗塞、アテローム血栓性脳梗塞では血栓融解療法が試みられておる。せやけど出血性梗塞のリスクがあるために発症から3時間以内やへんと基本的には行わへん。
==症状==
脳梗塞は、壊死した領域の巣症状(その領域の脳機能が失われたことによる症状)で発症するため症例によって多彩な症状を示す。症状から責任病巣を決定するっちうことができる([[神経診断学]])。
;[[麻痺]]
:[[運動]]の障害を意味し、もっともっともっとも頻度の高い症状が麻痺であるんや。[[中大脳動脈]]の閉塞によって[[前頭葉]]の運動中枢が壊死するか、[[脳幹]]の梗塞で[[錐体路]]が壊死するかで発症する。
:ようけの場合は、片方の上肢・下肢・顔面が脱力または筋力低下におちおる[[片麻痺]]の形をとる。せやけど、脳幹梗塞では顔面と四肢で麻痺側が異なる交代性麻痺を来すこともあるんや。
;[[感覚]]障害
:感覚線維、または頭頂葉の感覚中枢が壊死するっちうことで出現する。感覚の鈍化または消失が起こるほか、慢性期には[[疼痛]]が出現するっちうことがあり[[クオリティ・オブ・ライフ|QOL]]への影響が大きい。
;[[失調]]
:[[小脳]]または[[脳幹]]の梗塞で出現し、巧緻運動や[[歩く|歩行]]、発話、[[平衡感覚]]の障害が出現する。これに関連して[[めまい]]が出現するっちうこともあるんや。
;意識障害
:脳幹の覚醒系が障害された場合やらなんやらに[[意識]]レベルが低下するほか、広範な[[大脳皮質]]のカンペキに破壊でもみられはる。それがあらへんからも、急性期脳の腫脹やらなんやらによって全体的に脳の活動が抑制され、一過性に[[意識レベル]]が下がることがあるんや。ラクナ梗塞で意識障害を来しにくいんは、梗塞範囲が小さいため腫脹やらなんやら脳全体への影響が小さいことによる。
;[[構音障害]]・[[嚥下障害]]
:喉頭・咽頭・[[舌]]の運動にも麻痺や感覚障害が及ぶことで嚥下や発声機能にも障害が出現する。構音障害は後述する失語とは違い、脳の[[言語]]処理機能は保たれながらも発声段階での障害のためにコミュニケーションが不十分となっておるもんであるんや。嚥下障害は、摂食が不十分となって社会復帰を困難にしたり、[[誤嚥]]によって[[肺炎]]の原因となるやらなんやら影響が大きい。
:嚥下・構音障害を起こすような咽頭・喉頭機能の障害は脳幹の[[延髄]]の障害に由来するっちうことから球麻痺と呼ばれる(延髄は球形)が、より上部から延髄へいたる[[神経]]線維の障害でも類似した症状がみられはるため、こら仮性球麻痺と呼ばれる。
;[[高次脳機能障害]]
:[[失語]]や失認をはじめとした高次機能障害の出現するっちうことがあり、こらどエライ多彩であるんや。中そやけど、[[半側空間シカト]]([[空間]]のうち左翼右翼どちらかが意識からはずれてまう)がどエライようけみられはる。こら大脳劣位半球[[頭頂葉]]でみられはるもんやけど、[[右翼利き]]の人間の95%は劣位半球が[[右翼]]にあることから、ほとんどは「右翼利きで左翼片麻痺」の[[患者]]にみられはる症状であると言える。逆に失語は優位半球の障害でみられはるもさかい、「右翼利きで右翼麻痺」の患者にみられはることが多い。
==経過==
;発症
:脳梗塞の症状は徐々に進行して増強してくるもんから突然に完成するもんまで千差万別であるんや。せやけど、塞栓性のもんは突然に完成するっちうことが多い。
:発症時間で最も多いのが夜間から早朝にかけてであるんや。こら、就寝中には水分をとらへんために脱水傾向になることと関わっておる。年間を通じては[[夏]]と[[冬]]に多い。夏は脱水、冬は体を動かさななることが発症と関わっておる。
:気付かれる症状として最も多いのが麻痺であるんや。「体が傾いておる」「立ち上がれなくなりよった」やらなんやらの訴えで[[病院]]に搬送されてくることが多い。逆に、失語のみやらなんやらの一見奇異な症状では脳梗塞やと気付かれず医療機関への受診が遅れることもあるんや。
;急性期
:脳梗塞の症状は急性期にもっともっともっともつよ、その後徐々に改善していく。こら、壊死に陥った脳組織が腫脹して、周囲の脳組織も圧迫・障害しておることによる。腫脹が引いていくとともに、周囲の組織が機能を回復して症状は固定していくのであるんや。せやけど、腫脹や、壊死組織から放出される[[フリーラジカル]]は周囲の組織をも壊死させる働きがあるためこれらを抑制するっちうことが機能予後の向上につながる。
:急性期は[[血圧]]が高なる。場合によっては(収縮期血圧で)200mmHgを超えることもあるんや。こら、虚血部位に対して血流を送り込もうゆう生理的な反応なんやし、無理に降圧を図ってはいけへん。(降圧しすぎると、梗塞範囲を広めるおそれがあるんや)
:降圧薬、不用意な頭位挙上は脳循環血流を悪化させ、再発や症候増悪をおこす。症状が安定するまでなんぼなんでも24時間はベッド上安静とする。
;亜急性期
:軽症から中等症のもんやったら、数日で脳の腫脹や高血圧は落ち着き、場合によってはほとんど症状が消失するまでに回復する。せやけど、ある程度大きな後遺症が残った場合には[[リハビリ|リハビリテーション]]を続けても発症前と同レベルまで機能を回復するんはどエライ困難であるんや。
;慢性期
:原因にもよるが、脳梗塞の既往がある人の脳梗塞再発率はどエライ高い。そのため再発予防のための投薬を受け続ける必要があるんや。また、長期の後遺症として[[てんかん]]や[[パーキンソニズム]]を発症するっちうことがあるんや。
==診断==
[[神経内科]]または[[脳神経外科]]が行うが、発症後3時間以内の超急性期では迅速な対応が必要なんやし、[[救急科]]が行うことも多い。
===身体所見([[神経学]]的所見)===
上記の巣症状のほか、上位中枢の障害を示唆する[[錐体路障害|錐体路徴候]]([[腱反射]]の亢進、[[バビンスキー反射]]の出現)や眼球運動異常やらなんやらから梗塞部位が推測できる。神経学的所見から脳梗塞(脳卒中)の客観的な重症度を記載する方法として、いくつかのスケールが提唱されておる。最も簡便で臨床的に多用されておるんはNIHSS(National Institute of Health Stroke Scale)である[http://melt.umin.ac.jp/nihss/nihssj-table.htm NIHSS判定表]。こら超急性期の血栓溶解療法を実施する際には必須の項目となっておる。
===[[臨床検査|検査]]所見===
一般的な血液検査上は特徴的な所見はへんが、血栓性では血小板機能を調べると亢進しておることがあるんや。せやけど、血液検査から高脂血症・糖尿病やらなんやらの基礎疾患を評価する意義は大きい。超急性期の血栓溶解療法を実施する際には[[高血糖]]や[[低血糖]]やらなんやらのぜぇぇぇったい禁忌項目があるため、血液検査は必須となる。
===画像所見===
;CT
X線[[コンピュータ断層撮影|CT]]では、まず何よりも[[脳出血]]との鑑別が重要であるんや。脳出血ではよほど小さなもんやへん限り超急性期から血腫が明確な高吸収域として確認できるさかいであるんや。さらに脳梗塞では'''初期(早期)虚血変身'''(early CT sign)と呼ばれる所見がみられはることがあるんや。early CT signとしては[[レンズ核]]陰影の不明瞭化、[[島皮質]]の不明瞭化、皮髄境界(皮質と[[白質]]の境界)の不明瞭化、[[脳溝]]の消失(狭小化)が有名であるんや。これらの変身がMCA領域の1/3を超えるとき(1/3MCA領域)は血栓溶解療法の治療適応外となるため、近年では初期虚血変身有無の判定が重要となっておる。やや時間が経過すると、壊死した脳の腫脹がみられはることがあるんや。ほんで、壊死した組織は発症数日すると軟化してCT上暗なるが、これらの所見はどれも発症急性期にははっきりせんもんであるんや。
;MRI
[[核磁気共鳴画像法|MRI]]ではより早期から所見を捉えることができる。'''T2強調画像'''で病変が高信号になる([[細胞]]の腫脹をみておる)のが発症約6時間でみられはるほか、'''拡散強調画像(DWI)'''では高信号を約3時間後から認めることができるとされる。能書き上はDWIにて高信号を示しておる部位はすでに不可逆的な変身を示しておると考えられており、その周囲に可逆的な部位である[[ペナンブラ]]が存在すると考えられておる。せやけどDWIの高信号域のようけは梗塞巣に一致するが淡い病変の中に可逆性の病変が含まれることもあることが知られておる。逆に超早期はDWIでも偽陰性を示すことはしばしば認められはる。発症24時間以内でも5%ほどの偽陰性が知られておる。特に発症6時間以内の椎骨動脈灌流域で偽陰性がようけ20%も認められはる。特に延髄病変で多いとされておる。逆に大脳皮質での偽陰性は低く2%程度であるんや。初回のDWIにて高信号が認められなくとも経過、症状から脳梗塞がつよ疑われた時は24時間後にもっかい撮影するんが望ましおまんねん。その場合は3mm程度の薄いスライスでb value 2000以上で行うと検出率が高なる。
{| class="wikitable"
!nowrap|病期!!nowrap|病態!!nowrap|DWI!!nowrap|ADC-MAP!!nowrap|T2WI!!nowrap|CT
|-
|発症直後(0~1時間)||閉塞直後の灌流異常||所見なし||所見なし||所見なし||所見なし
|-
|超急性期(1~24時間)||細胞性浮腫||高信号||低信号||所見なし||early CT sign
|-
|急性期(1~7日)||細胞性浮腫と血管性浮腫||高信号||低信号||高信号||低吸収
|-
|亜急性期(1~3週間)||細胞壊死による炎症反応から徐々に浮腫軽減||高信号から徐々に低信号へ||低信号から徐々に高信号へ||高信号||低吸収からFEを介して低吸収へ
|-
|慢性期(1か月~)||壊死、吸収、瘢痕化||低信号||高信号||高信号||髄液濃度
|}
上記表は脳梗塞におけるMRIの典型的経時的変身であるんや。超急性期は細胞性浮腫のため拡散係数が低下し、そらDWIにて高信号、ADC-MAPで低信号ちう形で表現される。急性期では毛細血管のBBBの破綻により血管性浮腫が起る。血管性浮腫により単位組織あたりの水分量が増加するためT2WIにて高信号を示すようになる。急性期に再灌流により血管性浮腫が増悪し、著明な脳浮腫や[[出血性梗塞]]を起こすこともあるんや。亜急性期になると細胞壊死と血管壊死により拡散係数が上昇してくるため、一時期見かけ上正常化(pseudo-normalization)する。拡散強調画像ではT2 shine throughの影響をうけて亜急性期後半まで高信号が持続する。この現象があるために拡散強調画像で高信号でも拡散係数の低下や脳梗塞超急性期と言えずとするっちうことができへんし、ADC-MAPを併用して評価する。発症2週間ほどでCTでも血管性浮腫の軽減により一時的に病変が等吸収になる。せやけど不明瞭化はしとりFE(fogging effect)と言われる。亜急性期では軟膜髄膜吻合による側副血行路の発達や代償性の灌流増加にて比較的小さな梗塞巣内の出血が認められはることがあり、T2*にて低信号を示す。こら急性期の出血性梗塞と異なり、重篤な神経症状の増悪を招くことはへんが、ラクナ梗塞の場合はこれらの所見がある場合は抗血小板薬投与をせん方が無難とされておる。その後は慢性期所見としてT2WI高信号となるが、組織欠損の程度によりFLAIR画像で低信号化したりする。細胞外液腔の開大によるもんであるんや。
脳血管障害では遠隔部に二次性が起ることが知られておる。代表例を示す。
{| class="wikitable"
!nowrap|二次性変身!!nowrap|所見
|-
|皮質脊髄路のワーラー変性||[[皮質脊髄路]]に障害があるとその遠隔部で4週後よりT2短縮、10週頃よりT2延長。DWIでは2日から8日程度で信号変身が認められはる。
|-
|視床の変性||外側線条体動脈を含め中大脳動脈領域に障害があると皮質視床路を介して同側視床が発症3か月以降にT2延長。背内側核から起ることが多い。
|-
|中脳黒質の変性||[[線条体]]の障害で同側中脳黒質に発症10日前後でT2延長が認められ、1か月ほどで消失する。
|-
|下オリーブ核仮性肥大||小脳歯状核病変では対側の下オリーブ核に橋背側中心被蓋路では同側に変性がおこる。数か月でT2延長がおき、その後肥大する。
|-
|交叉性小脳萎縮||橋核が障害されると対側の中小脳脚にワーラー変性が生じる。橋核近傍が障害されると対側に同様の変性が生じるため、両側性となることも多い。
|}
その他、有名な所見としては'''皮質層状壊死'''(cortical laminar necrosis)ちうもんがあり、椎体細胞層(第3層)が選択的に虚血に陥ることであり'''発症後3週間ほどでT1WIにて皮質に沿った高信号域'''が認められはる。
;頚動脈エコー
血栓性の場合、頚部血管の[[超音波検査|エコー]]で、血管内壁の粥腫(プラーク)による狭小化を確認できることがある(高度な場合には外科的切除の対象になる)。エコーでは、頭蓋内血管を微小栓子(HITS)が流れておるのを確認できることもあるんや。
エコーではプラークの性状としてエコー輝度、表面性状、均一性、可動性を評価する場合が多い。エコー輝度は病理組織との対比で低輝度は粥腫や血腫、等輝度は線維組織、高輝度は石灰化病変と一致すると言われておる。低輝度の場合は脆弱であり脳梗塞のリスクが高いとされておる。表面性状としては壁の不整はプラークがなくとも脳梗塞のリスクがあるとされておる。また2mm以上の陥凹、即ち潰瘍は脳梗塞のリスクが高い。またプラークの性状が不均一でであると均一な場合よりもさらに脳梗塞のリスクが高いとされておる。またプラークに可動性のある血栓が付着する場合も高速のリスクが高いと考えられておるが頻度は低い。
;心エコー
非弁膜性[[心房細動]]が最も心原性脳塞栓のリスクとなるのやけど、[[心臓超音波検査]]を行うことでさらに詳細な評価を行うことができる。塞栓源として重要な所見としては左翼心耳内血栓、卵円孔開存(PFO)、心房中隔瘤、心臓腫瘍、大動脈弓部複合粥腫病変やらなんやらがあり、これらは軽食道心エコーでの検出率が高い。卵円孔開存(PFO)は一般剖検で20%ほど認められはる所見で右翼左翼シャントとなり静脈で形成された血栓が左翼室系に流出するっちうことで脳梗塞を起こす。こら奇異性脳塞栓症とええ若年者脳梗塞や原因不明の脳梗塞で頻度が多い。発症様式で塞栓性が疑われるが心房細動もなく、内頚動脈に有意病変が認められへん場合は大動脈源性脳塞栓を疑い大動脈弓部複合粥腫病変を検索する。
==対応==
脳梗塞の急性期には、腫脹とフリーラジカルによって壊死が進行するっちうことを阻止するんが第一となる。また、再梗塞も予防する必要があるんや。そやから、血栓性とみられはる場合には抗凝固薬を用いながら[[グリセリン]](グリセオール™)やマンニトール等で血漿浸透圧を高めて[[脳浮腫]]の軽減を、発症24時間以内にエダラボン(ラジカット™)でフリーラジカル産生の抑制を図る。また[[ペナンブラ]](penumbra)と呼ばれる虚血部位と正常部の境界部位の血流保持も図られはる。
===血栓溶解療法===
アテローム血栓や塞栓症の場合、発症直後('''3時間以内''')なんやし、設備の整った医療機関やったら血管内カテーテルによってウロキナーゼを局所動脈内投与する血栓溶解療法が可能であるんや。
また、2005年10月からt-PAのうちアルテプラーゼ(遺伝子組換え)の静脈内投与による超急性期虚血性脳血管障害の治療についてやまと国内での治療も健康保険適応となりよったちうわけや。1995年の米国の報告では予後改善効果も認められはるが[[脳出血]]の副作用も6.4%と対照の0.6%より大幅に増えとったちうわけや。やまとでの治験(J-ACT)では脳出血例5.8%(6/103例)やったちうわけや。
心筋梗塞の治療でt-PAを使うときも承認前1.76%(7/398例)、市販後14例(14,360回投与中)の脳出血例が報告されておる。脳梗塞専門病棟やらなんやら整った施設に於いて慎重に適応を選び十分な説明と同意の元進められはる治療法やりまひょ。アルテプラーゼとしてはアクチバシン®やグルトパ®がおもに用いられはる。
血栓溶解療法が有効な例の目安としては発症から3時間以内に治療開始できることはぬかすまでもへん。またあんまりに重篤な症状がある場合は慎重投与となる。NIHSSでは5~15点あたりが積極的な適応となる。MCA領域の1/3以上にCTで病変が認められはるときは行わへん(MRIは施行する必要はへん)。また出血のリスクの評価として既往歴、血小板数、PT-INR<1.7あたりを指標とする。高血圧は出血のリスクとなるが、静注時に185/110以下にコントロールできていれば問題はへんと考えられておる。また、「3時間以内の治療開始」の条件を満たすためには患者自身の状態以外にもt-PAによる治療が可能な病院がどこにあるかといったことを救急隊、病院、自治体間でで共有、連携していなければやったらへん。AHA(アメリカ心臓学会)のガイドラインでも急性期脳卒中が疑われた場合t-PA治療の可能性を考え、救急車による搬送をすべきであるとされておる。2008年の診療報酬改定により厚生労働大臣が定める医療機関に対し、t-PAをつこうた治療を行った場合に算定できる「超急性期脳卒中加算」(12,000点)が定められはったちうわけや。今後は行政レベルでの対応も必要になると考えられはる。
米国においてもt-PAによる脳出血の死亡例はようけ報告されており、[[判例に基づいた医療]](Jurisprudence-Based Medicine)せやなかったら「マスメディアに基づいた医療」の観点からは、「t-PA治療を行っても、行わなうても訴訟せやなかったらマスコミの非難が待っておる」ちう、まさに綱渡りを医療者に強おる認可やったと言える。
===保存的治療===
発症して時間が経って血栓溶解療法適用外となりよったアテローム血栓性梗塞やラクナ梗塞やったら、オザグレルナトリウム([[抗血小板剤]])・アルガトロバン(抗トロンビン薬、スロンノンHIやらなんやら)やらなんやらを発症早期に投与する。せやけど心原性塞栓症ではこれらは禁忌であるんや。
;アテローム血栓性脳梗塞
アテローム血栓性脳梗塞の場合は抗血小板療法と抗凝固療法のいずれも選択肢となりうる。抗血小板療法としてはトロンボキサンA2合成酵素阻害薬であるオザクレルナトリウム(カタクロット®、キサンボン®)160mg/dayの点滴投与またはアスピリン160~300mg/dayの経口投与となる。一方抗凝固療法としては、[[ヘパリン]]の静脈内投与(APTTで調整)や選択的トロンビン阻害薬であるアルガトロバン(スロンノンHI®やノバスタンHI®)を60mg/dayで二日間、20mg/dayで五日間ちう方法があるんや。重症例、進行例にはアルガトロバンをがしばしば選択され、軽症、安定例ではオザクレルナトリウムが選択される傾向があるんや。アルガトロバンとアスピリンの併用、ヘパリンとアスピリンの併用もしばしば行われる。
発症24時間以内やったら脳保護薬であるエダラボン(ラジカット®やらなんやら)が用いられはることもあるんや。[[フリーラジカル]]消去作用にて細胞性浮腫を減少させる効果があると考えられており、一回30mgを一日二回30分で点滴する。14日間投与可能であるんや。近年はt-PAと併用するっちうことも多い。
発症後治療開始までかかる時間で分けると3時間以内やったらばt-PA,24時間以内やったらエダラボン(ラジカット®やらなんやら)、48時間以内やったらばアルガトロバン(スロンノンHI®やノバスタンHI®)、7日以内やったらばオザクレルナトリウム(カタクロット®、キサンボン®)といった使い分けも存在する。
発症後1~4日経過した場合の浮腫では血管性浮腫でありエタラボンは効果的やのうてグリセオール(グリセレブ®)が用いられはることがあるんや。アテローム血栓性脳梗塞やったら[[グリセオール]]200mlを一日二回、一回二時間で投与する。心原性脳塞栓や脳出血やったらば一日三から四回投与する。グリセオールより脳圧効果作用が強い[[マンニトール]](マンニゲン®、マンニットール®やらなんやら)の使用はエビデンスによる裏付けに乏しおまんねん。
;ラクナ梗塞
ラクナ梗塞の場合はアスピリンかオザクレルナトリウム(カタクロット®、キサンボン®)が推奨されておる。BAD(branch atheromatous disease)が疑われる場合はラクナ梗塞の診断の下、トロンボキサン合成酵素阻害薬であるオザグレルナトリウム(カタクロット®やキサンボン®)にて治療が行われることが多い。本剤80mgを維持液200mgに溶解し、1日2回2時間かけて点滴を行う(約2週間まで)。投与開始直後は出血性合併症を示唆する理学所見に用心し、脳梗塞の症状が悪化するようんやったらばアルガトロバンやヘパリンへの変更や併用を検討するんが一般的であるんや。またははじめからアテローム血栓性脳梗塞の治療法を減量した方法で、アルガトロバン(スロンノンHI®やノバスタンHI®やらなんやら)を使用する場合もあるんや。具体的にはアルガトロバン60mgを維持液500mlで溶解し、48時間で投与を行い、その後アルガトロバン10mgを維持液200mlで溶解し1日2回3時間かけて投与する。これを5日間継続する。投与直後は出血性合併症に用心し、3日目以降は脳梗塞の悪化が疑われたら、抗血小板薬の追加やヘパリンへの変更を検討する。
;心原性脳塞栓
心原性脳塞栓症の場合は抗血小板療法の治療適応はなく、t-PAの適応やのうて発症後24時間以内やったらヘパリンの投与を開始する。ヘパリンの使用は出血の合併の有無によっても異なるが5000~10000単位/dayの低用量の使用が多い。
===他の療法===
;開頭減圧術
70歳以下の患者で、進行性[[意識障害]]でCT上[[脳幹]]圧迫所見のある中大脳動脈潅流域を含む一側大脳半球梗塞の場合、薬剤による脳圧制御は困難で、開頭による外減圧術の必要があるんや。広範な脳梗塞の場合は著明な脳浮腫、第4脳室閉塞による水頭症やらなんやらで[[脳ヘルニア]]、呼吸中枢の圧迫やらなんやらが起こりうるので減圧が必要ちう考え方であるんや。
;血管治療
近年は[[血管内治療]]の進歩によりバルーンつきのマイクロ[[カテーテル]]で血管を拡張する血管拡張術やステントを留置するステント留置術、詰まった場所までカテーテルを進め血管を拡張させる薬を注入する血管拡張術やその部位の血栓を溶かす薬を注入する血栓溶解療法やらなんやらの脳血管内治療が行われておる。
;;頸動脈病変
:頸部内頚動脈狭窄症では薬物治療(抗血小板薬)との比較試験で手術の方が症候性、無症候性どちらであっても有意に次に起こる発作の予防効果があるとされておる。症候性の場合はNASCET、ECSTちうスタディが、無症候性の場合はACAS、ACSTちうスタディが有名であるんや。70%以上の狭窄や高度の潰瘍病変を有する患者で、[[全身麻酔]]に耐え、5年以上の生存が見込める患者では手術を考慮すなあかんであるんや。高齢者(75歳以上)や手術のリスクが高い人、冠動脈疾患を合併する人ではケースバイケースとなる。また、内頚動脈閉塞症で血行動態によるTIAや脳梗塞を起こす患者の場合はバイパス手術が行われる場合もあるが、頸動脈病変で最もようやられはる手術は頸動脈内膜剥離術(carotid endarterectomy,CEA)であるんや。CEAがややこしい症例は頸動脈ステント留置術(CAS)が行われる。具体的には高齢者(75歳以上)、心肺疾患、CEA後狭窄、高位病変、対側閉塞、放射線照射後やらなんやらがええ適応であるんや。2008年4月より保険適応となる。
;;中大脳動脈病変
:浅側頭動脈‐中大脳動脈吻合術(STA-MCA)ちうバイパス術が知られておる。
===機能予後===
機能予後は、[[リハビリテーション]]をどんやけ積極的に実施できたかによるトコが大きい。病床で安静にする期間をできる限り短くし、早期から日常に近い生活を目指すことが重要であるんや。超急性期リハと呼ばれる、発症当日からのリハビリが最も有効であることが示されておる。麻痺の回復過程では一部の筋肉を動かそうとすると複数の筋肉が動いてまうゆう共同運動ちう現象がみられはることが知られておる。
片麻痺の回復過程に関してはいくつかの報告があるんや。発症時にBrunnstrom stageがⅣ以上やったら6か月以内にほぼ完全に完全回復に達するとされておる。また発症後2週間以内の時点でBrunnstrom stageがⅣ以上に回復したらほぼ8割でstage Ⅵまで回復するとされておる。発症時に軽度の麻痺であるほど、また発症早期に軽度の麻痺まで回復するもんほど予後はよいとされておる。麻痺の改善は2カ月ほどでプラトーに達してまう。麻痺の回復程度は年齢と重症度に依存し、完全麻痺(stage ⅠやⅡ)や高齢ほど回復しにくいとされておる。
;急性期リハビリテーション
通常発症から2週間から1か月以内のリハビリテーションをいう。健康な筋肉でも2~3週間の安静により20~25%の筋萎縮が生じるとされておる。麻痺を認める筋肉は萎縮のスピードはさらにはよ廃用症候群の予防が重要となる。受動的に行われる他動的関節可動域訓練や体位変換、良肢位保持は急性期の基本的なケアとして発症当初や症状が不安定な場合にも用心しながら施行は可能であるんや。基本的な考え方としては梗塞巣の進展の可能性がなくなり神経症状が安定し12~24時間経過したら運動訓練は可能な状態と考えられておる。坐位開始のタイミングとしてはJCSが一桁、全身状態が安定、麻痺の症状増悪があらへん状態になったら、用心深い観察のもとで行える。目安としてはラクナ梗塞やったらば診断日翌日から、アテローム血栓性脳梗塞で主幹動脈の狭窄や閉塞が確認された場合は進行型に移行する場合があるため発症から3~5日は神経症状の増悪のへんことを確認して坐位、離床を開始する。
;回復期リハビリテーション
身体機能の回復がピークに達するっちうとき。
;維持期リハビリテーション
生活支援が主になる。
===慢性期の管理===
再発予防のための抗凝固・抗血小板薬を使用する上で問題になるのが、[[出血性梗塞]]であるんや。こら、壊死した血管に血流がもっかい流れ込むことで血管壁が破れ、[[脳出血]]に至った状態であるんや。こら特に、広範な脳梗塞で問題となる。そのため塞栓性やらなんやらの広範な症例では梗塞の進行停止を見極めてから慎重に開始し、その後もCTで出血の有無をフォローアップするっちうことが欠かせへん。
梗塞原因の特定は、その後の再発予防計画を立てていく上でどエライ重要であるんや。まずは既往歴や生活習慣の聴取によってリスクファクターをまとめるほか、[[心エコー]]によって心房内血栓の有無、[[心電図|ホルター心電図]]によって不整脈の有無、頚動脈[[超音波検査|エコー]]によるプラークの有無を調べたりやらなんやらの評価が必要となる。[[高血圧]]や非[[弁膜症]]性の[[心房細動]]があれば、そのコントロールは特に重要であるんや。
;アテローム血栓性脳梗塞
アテローム血栓性脳梗塞の再発予防としては抗血小板療法がよう知られておる。原因が頭蓋内血管狭窄である場合は[[アスピリン]](バイアスピリン®やらなんやら)、シロスタゾール(プレタール®やらなんやら)、クロピドグレル(プラビックス®やらなんやら)、チクロピジン(パナルジン®やらなんやら)やらなんやらが知られておる。アスピリンを軸にシロスタゾールやクロピドグレルを用おるのが標準的であるんや。中大脳動脈病変においては特にクロピドグレル(プラビックス®やらなんやら)が再発予防効果が高いと考えられておる。急性期はクロピドグレル75mg(プラビックス®やらなんやら)とアスピリン100mg(バイアスピリン®やらなんやら)を併用し、数か月以内に単剤に切り替えるちう方法はようおこなわれる。またアスピリン100mgにシロスタゾール200mgを併用すると狭窄の改善が認められはることもあるんや。
;ラクナ梗塞
ラクナ梗塞の慢性期治療における抗血小板薬の使用法に関しては議論が多い。高血圧といったリスクファクターの除去が重要なんはぬかすまでもへんが、ラクナ梗塞の再発予防に関して明確なエビデンスがあるんはシロスタゾール(プレタール®やらなんやら)だけであるんや。慣習としてアスピリンで治療されることも多い。微小脳出血(CMB)が認められはると抗血小板薬の投与は出血のリスクになるため避けられはる傾向があるんや。微小脳出血の検出にはMRIのT2*がよう用いられはる。
;心原性脳塞栓
急性期にt-PAまたはヘパリンにて治療を行い、再発予防としてはワーファリンを用おるのが一般的であるんや。
;後遺症の対応
慢性期の[[めまい]]や[[しびれ]]といった症状に対しては脳代謝改善薬やらなんやらが用いられはる。[[アマンタジン]](シンメトリル®)ニセルゴリン(サアミオン®)、イフェンプロジル(セロクラール®)、イブシラスト(ケタス®)やらなんやらが知られておる。脳梗塞の自覚症状の改善、特にめまいや痺れにはイフェンプロジル(セロクラール®)、自発性の低下にはニセルゴリン(サアミオン®)、意欲、自発性の低下にはアマンタジン(シンメトリル®)、イブシラスト(ケタス®)はめまいで用いられはることもあるんや。精神科領域では[[SSRI]]としてパキシル®、チアプリドとしてグラマリールreg;が用いられはる。グラマリールreg;は認知機能の低下に効果的であるんや。認知症の進行は血管性認知症の進行の場合が多いが、正常圧[[水頭症]]の合併の場合もあるんや。アルツハイマー病の合併を疑いアリセプト®を使用するんは一般的ではおまへん。
== 無症候性病変に関して ==
高齢者の脳MRIには無症候性脳梗塞、無症候性大脳白質病変、拡大血管周囲腔があり、これらの判定にはかいなりの混乱が認められておる。やまと脳ドックガイドライン2008での鑑別基準を纏める。
{| class="wikitable"
!nowrap| !!nowrap|ラクナ梗塞(空洞化なし)!!nowrap|血管周囲腔!!nowrap|大脳白質病変
|-
|T1WI||低信号||低信号||等~灰白質程度
|-
|T2WI||明瞭な高信号||明瞭な高信号||淡い高信号
|-
|プロトン密度強調画像||明瞭な高信号(+中央部が低信号)||低信号||淡い高信号
|-
|FLAIR画像||等~高信号(中央部が低信号)||低信号||淡い高信号
|-
|大きさ||≧3mm||<3mm(大脳基底核下1/3では1cm超えることも)||さまざま
|-
|形状||不整形||整形、白質では線状||さまざま
|-
|好発部位||基底核(上2/3)、白質、視床、脳幹||白質、[[海馬]]、中脳||大脳白質、橋底部
|}
脳梗塞の画像経過からも示されておるように画像のみで区別するんはややこしいが、無症候性の場合はT1WIとFLAIRで低信号をしめすとラクナ梗塞や血管周囲腔の拡大とするんが一般的であるんや。血管周囲腔とラクナ梗塞の鑑別は線状の形、位置のほかに、周囲のFLAIRで高信号を伴う場合はラクナ梗塞、伴わへん場合は血管周囲腔を疑うのが一般的であるんや。こらラクナ梗塞にて組織欠損、空洞化した後の所見と考えられておる。内部信号はCSFと同様となるのが特徴的であるんや。無症候性ラクナ梗塞ちう能書き自体、書物により存在を認めへん場合もあるが、画像診断学では存在する立場をとっておる。
;血管周囲腔
血管周囲腔(perivascular space,Virchow Robin腔)は穿通動脈や髄質動静脈の周囲に認められはる。外側線条体動脈が好発部位であるため大脳基底核下1/3は好発部位となる。かつてはくも膜下腔の連続と考えられとったが2009年現在は軟膜内の空隙の連続と考えられておる。若年成人で殆ど認められず高齢者や[[高血圧]]患者で拡大する。正常の加齢性変身であり脳卒中や他の神経症状の危険因子にはやったらへん。[[基底核]]に拡大血管周囲腔が多数認められはる場合をetat cribleと呼ぶこともあるんや。
;無症候性白質病変
脳ドックガイドライン2008では脳室周囲病変(PVH)と深部白質病変(DWMH)を分けて評価するんが一般的であるんや。
{| class="wikitable"
!nowrap|PVH!!nowrap|Fazekas分類!!nowrap|脳ドック学会分類
|-
|grade 0||abcence||なし、またはrimのみ
|-
|gradeⅠ||cap or pensil-thin lining||capのような限局性病変
|-
|gradeⅡ||smooth hallo||脳室周囲全域にやや厚く広がる病変
|-
|gradeⅢ||irregular PVH extending into the deep wahite matter||深部白質まで及ぶ不規則な病変
|-
|gradeⅣ|| ||深部~皮質下白質にまで及ぶ広範な病変
|}
{| class="wikitable"
!nowrap|DWMH!!nowrap|Fazekas分類!!nowrap|脳ドック学会分類
|-
|grade 0||abcence||なし
|-
|grade 1||punctate foci||3mm未満の点状病変、または拡大血管周囲腔
|-
|grade 2||beginning confluence of foci||3mm以上の斑状で散在性の病変
|-
|grade 3||large confluent area||境界不明瞭な融合傾向をしめす病変
|-
|grade 4|| ||癒合して白質の大部分に広く分布する病変
|}
[[病理]]学的にはPVHもDWMHも[[髄鞘]]の淡明化と血管周囲腔の開大とされておる。PVHでは細胞外腔の拡大、DWMHでは微小梗塞を伴うことが多い。両者とも細動脈硬化に伴う慢性虚血性変身と考えられておる。高度なもんは無症候性脳梗塞と同様[[脳卒中]]の強力な危険因子なんやし、認知障害やうつ病の関連も強い。降圧療法の積極的適応が推奨されておる。一方軽度の場合は病的な意義はへんと考えられておる。軽度のDWMHはラクナ梗塞との鑑別が問題となる。
== 脚注 ==
==参考文献==
*ニュースタンダード脳神経外科学 ISBN 9784895902670
*脳卒中治療 こへんなときどうするQ&A ISBN 9784498128408
*新版ようわかる脳MRI ISBN 487962280x
==外部リンク==
*[http://www.jsts.gr.jp/jss08.html やまと脳卒中学会ホームページ]:脳卒中治療ガイドライン2004
*[http://www.snh.or.jp/jsbd/pdf/guideline2008.pdf 脳ドックのガイドライン2008]
*[http://goldminer.arrs.org/global/ ARRS Gold miner]:画像診断の検索サイト
== 関連項目 ==
*[[脳血管障害]]
*[[神経学]]
*[[脳神経外科学]]
*[[神経診断学]]
== 関連学会(国内) ==
*[http://www.neurology-jp.org/ やまと神経学会]
*[http://www.cbfm.jp/ やまと脳循環代謝学会]
*[http://jns.umin.ac.jp/ やまと脳神経外科学会]
*[http://www.jsts.gr.jp/ やまと脳卒中学会]
{{DEFAULTSORT:のうこうそく}}
[[Category:脳神経疾患]]
[[ar:سكتة دماغية]]
[[ca:Accident vascular cerebral]]
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[[es:Accidente cerebrovascular]]
[[fr:Accident vasculaire cérébral]]
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