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'''脳'''(のう、[[英語|英]]:brain、[[ドイツ語|独]]:Gehirn、[[ラテン語|羅]]:encephalon、[[ギリシア語|希]]:{{lang|el|ἐγκέφαλος}} ''enkepalos'')は[[動物]]の[[頭部]]にあるんや、[[神経系]]の中枢。狭義には[[脊椎動物]]のもんを指すが、より広義には[[無脊椎動物]]の頭部[[神経節]]をも含む。[[脊髄]]とともに[[中枢神経系]]をなし、[[感情]]・[[思考]]・[[生命]]維持その他神経活動の中心的、指導的な役割を担う。
== 無脊椎動物の脳 ==
[[無脊椎動物]]のうち[[扁形動物]]門以降の世代の生物は、[[旧口動物]]・[[新口動物]]ともに集中神経系をもつ、すなわち[[神経節]](=神経の集まった部分)を(しばしば頭部に)もつ。頭部神経節が他の神経節に比べて顕著に発達しておる場合、これらはしばしば脳(脳神経節)と呼ばれる(せやけどこの呼称は医学分野やらなんやらからの視点では一般的やへん)。特に[[節足動物]]([[昆虫類|六脚亜門]]、[[甲殻類|甲殻亜門]]、[[クモ綱|鋏角亜門]]やらなんやら)、[[軟体動物]]門[[頭足類|頭足綱]]やらなんやらにおいては顕著に発達し、機能的にも脊椎動物の脳と遜色へん程度に分化しておる。その一方、これら無脊椎動物の神経節はもともと脊椎動物の脳との機能的・形態的な類似から「脳」と呼ばれてはおるもんの、''系統発生的には脊椎動物の脳と直接の関連はへん''ことに用心が必要であるんや。せやけど[[原索動物]]を除く。
=== 扁形動物 ===
[[プラナリア]]を典型例とする扁形動物はかご状神経系をもち、最前部に卓越した神経節としての脳を有する。プラナリア脳の研究により発見されたFGF[[受容体]]様[[蛋白質]]である[[Nou-darake|nou-darake]]は、頭部以外での脳分化を抑制する機能をもち、その名称からやまとではやや有名であるんや。
=== 昆虫 ===
[[昆虫]]の脳は大きく視葉 (optic lobe) と中央脳 (central brain) の2つに分かれる。視葉は[[複眼]]の直下にある構造なんやし、専ら[[視覚]]情報を処理する。中央脳はさらに前大脳 (protocerebrum)、中大脳 (deutocerebrum)、後大脳 (tritocerebrum) の3つの部分に分かれる。これらはそれぞれはしご状神経系の単独の神経節に由来する領域であるんや。前大脳は[[キノコ体]]、中心複合体 (central complex) やらなんやら、感覚情報の高次処理に携わると考えられておる領域(ニューロパイル)も含む。キノコ体はようけの昆虫で[[嗅覚]]情報処理を担っておるが、[[ミツバチ]]やらなんやらでは視覚系の神経経路も入射するっちうことが知られておる。中大脳は[[触角]]の嗅覚受容細胞で受容した嗅覚情報を一次的に処理する触角葉と、触角からの機械感覚を処理する領域を含む。後大脳は食道下神経節を含む領域なんやし、一部の昆虫では味覚情報が入射するっちうことやらなんやらが知られておる。中大脳と後大脳の間には食道孔が存在し、[[食道]]が両者の間を貫いておる。昆虫の中枢神経系には、脳のほか胸腹部神経節と両者を繋ぐ神経束が含まれる。
=== 頭足類 ===
頭足類の脳は食道上塊 (supraesophageal mass) と食道下塊 (subesophageal mass) の2つに分けられ、両者の間には食道が存在する。巨大な視葉はoptic stalkと呼ばれる細い神経束でのみ脳本体に接続しとり、脳の一部とみなされへんこともあるが、視覚情報処理のようけが視葉でなされておるので機能的には脳の一部といえる。
=== 原索動物 ===
[[脊索動物]]のうち、脊椎動物と同様の管状神経系をもつ原索動物([[頭索動物]]・[[尾索動物]]の総称)では、[[神経管]]から分化する神経索が存在する。神経索は中枢神経系に含まれ、感覚細胞は最前部に集中するもんの明確な脳構造は原索動物ではみられへん([[ホヤ]]の[[幼生]](遊泳性)の場合やらなんやら、場合によって脳と呼ばれることもあるんや)。
== 脊椎動物の脳 ==
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脊椎動物の系統樹上の比較では、脳全体において[[大脳]]の占める割合が新しい世代の生物ほど大きいゆう大まかいな傾向があるんや。特に[[ヒト]]の脳は大脳が大きく、しかも[[大脳皮質]]が大小の溝('''[[脳溝]]''')によってどエライ広い[[面積]]をもっておる。脳溝と、それに挟まれた'''[[脳回]]'''の区別がある大脳(有回脳)は、[[哺乳類]]の中でも[[霊長目]]やらなんやらのごく一部しかもっておらへん。このことは、極めてしばしば新しい世代の生物ほど複雑な活動を見せることと結びつけて、大脳皮質が思考の中枢やからと説明される。
画像:Mouse_brain.jpg|マウスの脳
画像:cat_brain.jpg|ネコの脳
画像:Human_brain_NIH.jpg|ヒトの脳
== ヒトの脳について ==
=== 発生 ===
複雑な姿をしておるヒトの脳も、元はちうたら単なる管に過ぎへんかったちうわけや。脊髄や延髄、中脳、橋では中心管は神経管内に余り発達せんと原型をとどめたまんまであるが、先端部の終脳では、発生の間に中心管は複雑に拡大して広い脳室を形作り、また皮質も複雑に隆起や回転運動を起こしながら変形して、各頭葉が形成される。
初期の脳の形成は、中心管の前方が膨らんで形成される、前・中・後脳胞の3脳胞から出発する。このうち先端部の前脳胞は更に前方から「終脳胞」と「間脳胞」とに分かれ、このうち終脳胞が以下のような、顕著な変身を遂げる。
;1.上方への隆起
:中心部を除く神経管の左翼右翼の天井が上方へ隆起するっちうことにより、左翼右翼の頭頂葉が作られはる。
:この隆起運動の結果、本来の中心管天井部は、左翼右翼の半球の奥深くに隠れてまう(後に脳梁が左翼右翼に走行)。
:神経管内の空所は先端部から両脇に伸び上がり、左翼右翼「[[側脳室]]」(第一・第二脳室)ができる。
:こうして作られはった側脳室へ通ずる旧中心管からの通路が「室間孔」となる。
;2.前方への回り込み
:上方に隆起した終脳胞の左翼右翼の壁は、前方へも伸び出し、「前頭葉」と「側脳室前角」がつくられはる。
:正中部がそのまんま残ることは同様やから、神経管最前端部は、突出した前頭葉の間に「終板」として残る。
;3.後方への伸びと、側方への回転運動
:頭頂方向へ隆起した神経組織は更に後方へ伸びながら、元の神経管の側壁を越えて下側へ回り込む。
:こへんな風にして、「後頭葉」と「側頭葉」が作られはると共に、「側脳室後角」と「下角」が作られはる。
:めざましい終脳の動きに対して、間脳胞は余り変身せへんし、神経管の原型を維持しつつ、左翼右翼大脳半球の基部に位置して、視床・視床下部を作り、中心管は正中面に薄く上下にのみ伸びて第三脳室となる。
=== 解剖 ===
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ヒトの脳は[[頭蓋]]内腔の大部分を占めておる。[[成年|成人]]で[[体重]]の2%ほどにあたる1.2~1.6[[キログラム]]の[[質量]]があるんや。脳の質量は、男性で女性よりもやや大きく(後述)、体重との相関はへん。約300億個の[[神経細胞]]を含むがそら脳をなす細胞の1割程度なんやし、残りの9割は[[グリア細胞]]と呼ばれるもんであるんや。グリア細胞は神経細胞に[[栄養]]を供給したり、[[髄鞘]]を作って[[伝導]]速度を上げたりと、さまざまな働きをする。「人間は脳の1割ほどしか有効につこうておらへん」ちう俗説があるが、こらグリア細胞の機能がようわかっていへんかった時代に、働いておる細胞は神経細胞だけちう思い込みから広まったもんと言われる。きょうびでは脳の大部分は有効的に活用されており、脳の一部分が破損やらなんやら何らかの機能的障害となる要因が発生した場合にあんまり使われてへん部分は代替的または補助的に活用されておる可能性があると考えられておる。
脳は、[[大脳]]・[[小脳]]・[[脳幹]]に大きく分けることができる。大脳はさらに[[終脳]](Telencephalon)と[[間脳]](Diencephalon)に、脳幹はさらに[[中脳]]・橋・[[延髄]]に分けられはる。この区別は肉眼で見た様子に基づいたもんであちう、[[胚発生]]の上では小脳は脳幹から分かれるもんなんやし、また生命維持機能につよ関わる間脳を脳幹に含める意見もあるんや。
脳は、[[髄膜]]と呼ばれる3層の膜、すなわち[[軟膜]]・[[クモ膜]]・[[硬膜]]に覆われておる。軟膜は脳の実質に密着しておるがクモ膜はちびっと離れており、軟膜との間に[[クモ膜下腔]]ちう空間を残しておる。クモ膜下腔は[[脳脊髄液]]で満たされておる。硬膜は大脳鎌・小脳テントやらなんやらの突出と、硬膜静脈洞を作る部分のほかは[[頭蓋]]の内面に密着して内張りとなっておる。硬膜とクモ膜はほぼ密着しておる。
==== 大脳 ====
[[大脳]](Cerebrum)とは、厳密には終脳と間脳を合わせた呼称やけど、[[神経解剖学]]以外の分野ではほぼ例外なく、終脳のみを指す言葉として使われておる。この項でも特に断らへん限り、大脳とぬかすたら終脳を指す。
終脳は左翼右翼の大脳半球(終脳半球)からなる。それらを隔てんねんんは大脳縦隔と呼ばれる深い溝なんやし、[[脳梁]]と透明中隔でつながるほかは完全に左翼右翼が分かれておる。大脳半球の表面には、'''[[大脳溝]]'''(だいのうこう、Cerebral sulci)と呼ばれる溝が走り、その間に細長い'''[[大脳回]]'''(だいのうかい、Cerebral gyrus)を作っておる。脳溝は俗に「脳のしわ」と言われるが、脳の成長にしたがって無造作にしわが寄るのやのうて、どこにどへんな脳溝ができるかは、深さ、曲がり方に多少の個人差があるもんの完全に決まっており、ずぅぇえええぇぇええんぶの脳溝に解剖学上の名前(Nomina anatomica)が与えられておる。脳溝と脳回の形は左翼右翼の半球でほぼ対称なんやし、特に目立つ脳溝は終脳の[[解剖学における方向の表現|外側]]で吻側端から尾側のあたりまで走る'''[[シルビウス裂]]'''と、頭頂部の(吻側寄りでも尾側寄りでもなく)中ほどで背側端からシルビウス裂まで走る'''[[中心溝]]'''であるんや。シルビウス裂よりも腹側、したがって脳全体から見ればもっともっともっとも外側の部分を[[側頭葉]]、中心溝よりも吻側を[[前頭葉]]、中心溝よりも尾側でシルビウス裂の終わるあたりまでを[[頭頂葉]]、その尾側を[[後頭葉]]と呼ぶ。後頭葉は終脳のもっともっともっとも尾側にあり、頭頂葉との境界は明瞭やへん。シルビウス裂をこじ開けると、側頭葉の陰に隠れとった、[[島皮質|島]]と呼ばれる部分が見える。島の表面はほかの部分とちごて脳溝やのうて細かいしわがたくはん入っておる。
左翼右翼の大脳半球はそれぞれ[[側脳室]]と呼ばれる腔を含んでおる。側脳室は'''モンロー孔'''で[[第三脳室]]と連絡して脳室系をなす。脳室系は脳の廃液である[[脳脊髄液]]でみたされ、脳脊髄液が排出される経路となっておる。
広義の大脳から出る[[脳神経]]は、終脳から出る[[嗅神経]]と、間脳から出る[[視神経]]であるんや。
大脳の断面では[[白質]]と[[灰白質]]が明瞭に区別される。終脳の灰白質は表面ねきに面積で2,000cm2~2,500cm2、厚さ2~3mm[理化学研究所 脳科学総合研究センター編 ブルーバックス『脳研究の最前線 上』 第一版 (講談社ISBN 978-4-06-257570-6、2007年10月20日)]の層をなしとり、[[大脳皮質]](だいのうひしつ、Cerebral cortex)と呼ばれる。大脳皮質は灰白質の例に漏れず神経細胞の細胞体が集まった部分なんやし、その大部分は6層構造をなし、複雑な回路を含んで思考やらなんやらの中枢とされる。大脳皮質に対して白質を大脳髄質と呼ぶこともあるが、白質と呼ばれることのほうがはるかに多い。その理由の一端をなすのが[[大脳基底核]]であるんや。大脳基底核は単に大脳核とも呼ばれ、側脳室の腹側あたりで髄質の中にある神経細胞の集まりであるんや。2つ合わせて線条体と呼ばれる、[[尾状核]]・[[被殻]]やらなんやらを含むが、あいまいな能書きであちう、間脳の一部である[[視床]]や[[淡蒼球]]を含むか含まへんかは意見が一致せん。側頭葉の深部には[[扁桃体]]があるんや。扁桃体は恐怖心を構成しておることが知られておる。
間脳は[[視床]]と[[視床下部]]からなる。視床は、大脳皮質や下位の脳・脊髄との連絡がようけ、感覚の中継、運動制御やらなんやら多彩な機能に関わる。視床下部は、身体の恒常性([[ホメオスタシス]])を保つ働き、自律神経系の制御、感情やらなんやらに関与しておる。
==== 小脳 ====
[[小脳]]は脳幹の[[解剖学における方向の表現|背側]]にあるんや。上小脳脚・中小脳脚・下小脳脚ちう線維の太い束で脳幹につながっておる。これら3つは肉眼レベルで絡み合っており、それぞれに含まれる線維をきれいに分けることはどエライ難しおまんねん。小脳は正中の'''小脳虫部'''(しょうのうちゅうぶ、Vermis)、左翼右翼の'''小脳半球'''(Cerebellar hemispheres)、尾側の'''小脳扁桃'''に分けられはる。小脳半球の表面は、大脳半球に脳溝と脳回があるんやうに、小脳溝と小脳回をもつが、これらは脳溝・脳回よりもかいなり細かく、変異も多い。小脳半球の断面も大脳半球と同様、小脳皮質(Cerebellar cortex)が灰白質で小脳髄質が白質であるんや。小脳皮質は表面側から分子層、プルキンエ細胞層、顆粒層の3層構造を持ち、約1mmぐらいの厚さである。皮質が厚く、髄質が[[木]]の枝のように見えることから、小脳半球断面の様子をArbor vitae(生命の木、小脳活樹)と呼ぶ。
==== 脳幹 ====
[[脳幹]] (=brain stem) は[[解剖学における方向の表現|上]]で大脳と、背側で小脳と、尾側で[[脊髄]]とつながっておる。吻側から順に[[中脳]] (Midbrain)、橋、[[延髄]]に分けられはる。小脳と脳幹に挟まれた空間は[[第四脳室]]となっておる。
*中脳は[[上丘]](視覚処理に関与)、下丘(聴覚処理に関与)、[[セロトニン]]や[[ドパミン]]、[[ノルアドレナリン]]系やらなんやらの神経核が散在しておる。中脳には眼球運動・[[視覚]]に関わる諸[[神経核]]があり、脳神経として[[視神経]]、[[動眼神経]]、[[滑車神経]]を出す。また背側に第三脳室と第四脳室を交通する'''中脳水道'''が通っておる。
*橋 (脳)はふくらみを帯びた形状で、小脳と接続する。脳神経として[[三叉神経]]、[[外転神経]]、[[顔面神経]]、[[聴神経]]を出す。
*延髄は橋と[[脊髄]]の間にあり[[呼吸]]やらなんやら生命維持に関わる植物機能を司る中枢があるんや。脳神経として[[舌咽神経]]、[[迷走神経]]、[[副神経]]、[[舌下神経]]を出しておる。[[呼吸]]、[[心臓]]の働きに関係する。
==== 循環 ====
脳の質量は体重の2%程度やけど、[[血液]]の循環量は心拍出量の15%、[[酸素]]の消費量は全身の20%、[[グルコース]](ブドウ糖)の消費量は全身の25%と、いずれも質量に対してどエライ多い。このことは脳で起こる複雑かつ活発な電気信号の行き来に由来する。そへんな需要は[[内頸動脈]]と[[椎骨動脈]]からの血流でまかいなわれる。内頸動脈と椎骨動脈はそれぞれ大小の枝を出して脳の各所を[[栄養]]し、'''ウィリスの動脈輪'''と呼ばれる環状の吻合を作って互いに連絡しておる。このため内頸動脈に血流障害が起こっても椎骨動脈からの血流が脳の全体に行き渡るが、ウィリスの動脈輪が細い人ではその代償があんまり期待できへん。
脳に分布する静脈は、特に太い部分では動脈に伴走しておらへんし、硬膜静脈洞に集まる。硬膜静脈洞の静脈血は[[内頸静脈]]へ流出する。また、[[リンパ液]]に相当する廃液は[[脳脊髄液]]として脳室系の脈絡叢から産生され、[[クモ膜下腔]]を流れてケツにはクモ膜顆粒から、または[[脊柱管]]の静脈叢から静脈血に吸収される。
== 機能 ==
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脳は運動・知覚やらなんやら[[神経]]を介する情報伝達の最上位中枢であるんや。また、感情・情緒・理性やらなんやらヒトの[[精神]]活動においても重要な役割を果たしておる。幾つかの精神活動に関しては[[ポジトロン断層法]]やらなんやらにより、脳の活動との間に密接な関係があることが確かめられておる。
脳が以上のような機能に深く関わっておることには疑いがあらへんが、脳がそのずぅぇえええぇぇええんぶを担っておるかどうかは明らかやへん。このことは[[脳死]]にまつわる問題で問われ、[[ラザロ徴候]]をどう解釈するかで意見が分かれる。脳死推進派はラザロ徴候を[[脊髄]]による反射とみなし、脳の機能が残っておる証拠にはやったらへんとする。一方で脳死反対派はラザロ徴候に脳の機能が関わっておるとする。脳死反対派の一部は、ラザロ徴候に脳が関わっていようといまいと、そへんな風な高度の活動が(たとうたら脊髄によって)なされうるやったらそら生命反応とみなすべきやと主張する。ラザロ徴候の機序は解明されておらへんし、この議論は決着しておらへん。
脳が、せやへんかったら大脳が大きいほうが頭がええちう俗説があるんや。こらヒトの大脳が[[類人猿]]の大脳よりも大きいこと、高齢者の脳が加齢に伴って萎縮するっちうこと、[[アルツハイマー病]]やらなんやらの[[疾患]]では病変部が著しく萎縮するっちうことやらなんやらにも助長されていまひょ。せやけど脳の重さは(特に人の間で)知能の指標とはやったらへんとされる。[[夏目漱石]]や[[アルベルト・アインシュタイン]]の脳は彼らの死後も保存されておるが、その重さを量ってみても正常の範囲を出へん。またクジラやゾウは、ヒトより重い脳を持つ。
== 性差 ==
ヒトを含む[[脊椎動物]]の脳はその[[性別]]により異なりよった構造を持つ。こら大脳解剖学における肉眼観察や、[[ラット]]に対して脳の形成期に[[性ホルモン]]を投与する実験により確かめられておる。脳の部分で性差があるとみられておる部分は、大脳半球、左翼右翼の脳をつなぐ前交連や脳梁、本能をつかさどる視床下部である(脳の性分化) せやけど雄の猿を幼少期から雌として育てれば雌と同じ行動をとるようになるやらなんやらの報告もあるため、これらの性差がどれほど行動に影響を及ぼすかは定かやへん。
ヒトの場合、男女は精神的・文化的に異なりよった傾向を示すことがある([[ジェンダー]]参照)が、脳の性差がこれの一因を担っておると考えられておる。せやけど脳の性差が人格形成にどれほどの割合で貢献をしておるかは不明である(見えにくくなりよった後天的な環境の影響が、生得的な性差であると認識される場合もあるため)
なお、女性は論理的思考時に「論理的思考を司る左翼脳」を「想像力を働かせる右翼脳」と連動して働かすことができ、男性はこれが不得手であるが訓練によって可能であるといわれることがあるが、これらの説の元となっておるんは女性のほうが男性よりも脳梁(左翼右翼の大脳半球を連絡する神経繊維)が多いことから生まれておるが、科学的根拠に乏しおまんねん。(以下、脳の左翼右翼差も参照)
=== 容積 ===
まず観察される点として、男性の脳は女性よりも大きく重い。出生時は性別による有意差は無く、男女ともに370~400グラムであるんや。成人では、男性は1350~1500グラム、女性では1200~1250グラムなんやし、こら体重の約2%にあたる。なお、性差・人種差を除外した同質な人類集団の中では脳の大きさは知能指数と0.4程度の相関があることが知られはる。ほ乳類では脳容積と体容積がおおむね対数比例する。人間も同じように、単に男性のほうが体が大きいので脳も大きい、と説明する学者もおる。
=== 活動 ===
[[ポジトロン断層法]]によって様々な精神活動の際に脳が働く様子を調べると、男性は主に左翼半球が、女性は比較的均質に働くとの報告があるんや。せやけどこれをして「女性は左翼右翼の脳を満遍なく働かせることができ、男性の脳活動は左翼脳に依存するトコが大きい」とはやったらへん。ポジトロン断層法自体は血流や代謝が増加した部分が集中的に活動したとする仮定の下に行われるもんやけど、これによる脳活動の測定はあくまで相対的な活動の増大を示すもんであるんや。これについても[[脳機能局在論]]を参照されたい。
=== 周期性 ===
[[月経]]に代表されるように女性は身体的な周期変動を持っておる。またそれに伴って精神的にも周期的に変動すると指摘されることもあるんや。この周期性を支配しておるのが下垂体から分泌される[[卵胞刺激ホルモン]]と[[黄体形成ホルモン]]であるんや。
男性の脳ではこへんな風な周期性はへん。胎生期に[[精巣]]から分泌された[[テストステロン]](アンドロゲン・シャワーとよばれる)によるもんやと考えられておる。
==大脳半球の左翼右翼差==
ヒト特有の大脳半球の左翼右翼の機能についての学説は、古くさい時代の[[てんかん]]患者の治療のために行った、[[分離脳|脳梁の切除]]や手術中に脳に電気刺激やらなんやらを行った場合の観察記録から推測された仮説が多い。
それらの少へん観察例から拡大解釈されたもん、その拡大解釈をさらに拡大解釈したり、歪曲された俗説がどエライ多いので用心が必要であるんや。
せやけどながら、大脳左翼半球に[[言語野]]が有ることや、右翼半身の制御を主に左翼半球、左翼半身の制御を主に右翼半球が行っておるんは事実であるんや。(言語野についてはどエライ希やけど右翼半球に存在する人がおることも確認されておる)さらに、ヒトの大脳では左翼半球のほうが右翼半球より若干大きいことが判っておる。
また、脳専門医の中には、左翼右翼の脳半球に機能分布の違いを認める医師もおる。病巣や事故によって損なわれた脳の部位と、外から見える機能欠損の関連性に経験則があてはまるさかいであるんや。
それらによれば論理的思考についてあるていど重要な機能が左翼半球にあるんは確かやけど、例うたらカナダの[[ワイルダー・ペンフィールド]]医師の姉の報告例やらなんやらからわかるように、右翼大脳の前頭野が損なわれても、行動を順序立てて計画する(例うたら料理やらなんやら)能力やらなんやらが失われることがわかっておる。
せやけど、現時点ではヒトの大脳半球の左翼右翼の機能についてのデータは、あくまで事故や病気やらなんやらで得られはった症例を観察した程度のもんなんやし、脳ちう器官の複雑性をかんがみた場合、ある能力について、どちらかの半球だけが機能しておるといえるほど単純なもんやのうて、またそれを裏付けるデータもへん。
厳密にどの機能が左翼右翼で分化しておるんか、どこまでが個人差の範疇であるんかいやらなんやらは現在の所は一切不明であるんや。
大多数の研究者が特定の精神機能の中枢とみなしておる領野は今のトコ、末梢との神経接続が解剖的に調べられておる初期知覚領野・運動野を除けば言語野しかいへん。さらに左翼脳と右翼脳がそれぞれ論理的思考・創造的思考を処理し、もう片方がそれを担当しておらへんゆう明確な証拠や実験データはへん。[[脳機能局在論]]も参照のこと。
== 食材として ==
[[画像:Porkbrain.jpg|right|thumb|250px|調理用に準備された豚の脳]]
牛(成牛および子牛)、豚、羊、ウサギやらなんやらの家畜の脳は食材としたかて用いられはる。主にヨーロッパおよび中東では肉屋の店先のほかスーパーマーケットでも流通しておる。主に煮込み料理の出汁取りとして使われる他、フランス家庭料理のテット・ド・ヴォー(子牛の頭)ちう料理ではほほ肉と共に脳が用いられはることもあるんや。同じく頭部肉のゼリー寄せやらなんやらに細かく砕いた脳が含まれることもあるんや。このわたの様な独特の食感があるんや。
[[牛海綿状脳症|BSE]]の影響により一時期ヨーロッパでは食材としての脳や骨髄の流通は減ちびっとたが、伝統的食材としての存在は未だに広く一般に受け入れられておる。
== 関連記事 ==
* [[シナプス]]
* [[神経幹細胞]]
* [[神経伝達物質]]
* [[神経学]]
* [[脳神経外科学]]
* [[精神医学]]
* [[脳科学]]
* [[神経科学]]
* 「脳だらけ」遺伝子(nou-darake)([[プラナリア]]の脳形成に関わる遺伝子)
* [[脳機能局在論]] (左翼脳、右翼脳)
* [[ブロードマンの脳地図]]
* [[脳ゲー]]
* [[脳死]]
* [[心]]
* [[精神]]
* [[感情]]
* [[意識]]
* [[思考]]
* [[認識]]
* [[心身問題]]
* [[心理学]]
* [[認知心理学]]
* [[認知科学]]
* ベル・マジャンディーの法則
== 参考文献 ==
*Werner Kahle、長島聖司・岩堀修明訳『分冊 解剖学アトラスIII』第5版(文光堂、ISBN 4-8306-0026-8、やまと語版2003年)
{{Spedia|Brain|Brain}}
== 外部リンク ==
* [http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2007/070109/index.html 脳の右翼と左翼の構造の違いを生み出す分子メカニズムを解明] 独立行政法人 [[理化学研究所]]
{{nervous system}}
{{終脳}}
{{Biosci-stub}}
{{Medical-stub}}
{{DEFAULTSORT:のう}}
[[Category:神経学]]
[[Category:解剖学]]
[[Category:脳|*のう]]
[[Category:心]]
{{Link FA|uk}}
[[af:Brein]]
[[ar:دماغ]]
[[az:Beyin]]
[[bg:Главен мозък]]
[[bm:Kunkolosɛmɛ]]
[[bn:মস্তিষ্ক]]
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[[ca:Cervell]]
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[[cy:Ymennydd]]
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[[de:Gehirn]]
[[el:Εγκέφαλος]]
[[en:Brain]]
[[eo:Cerbo]]
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[[et:Peaaju]]
[[eu:Garun]]
[[fa:مغز]]
[[fi:Aivot]]
[[fiu-vro:Ai]]
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[[gl:Cerebro]]
[[hak:Thèu-nó]]
[[he:מוח]]
[[hi:मस्तिष्क]]
[[hr:Mozak]]
[[hsb:Mozy]]
[[hu:Agy]]
[[ia:Cerebro]]
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[[io:Cerebro]]
[[is:Heili]]
[[it:Cervello]]
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[[kk:Ми]]
[[ko:뇌]]
[[la:Cerebrum]]
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[[lv:Smadzenes]]
[[mk:Черепен мозок]]
[[ml:മസ്തിഷ്കം]]
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[[nl:Hersenen]]
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[[no:Hjernen]]
[[oc:Cervèl]]
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