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▼ 2001年宇宙の旅 の解説を表示▼
{{Infobox Film|
| 作品名 = 2001年宇宙の旅
| 原題 = 2001: A Space Odyssey
| 画像 =
| 画像サイズ =
| 画像解説 =
| 監督 = [[スタンリー・キューブリック]]
| 製作総指揮 =
| 製作 = スタンリー・キューブリック
| 脚本 = スタンリー・キューブリック [[アーサー・C・クラーク]]
| 出演者 = キア・デュリア ゲイリー・ロックウッド ダグラス・レイン
| 音楽 =
| 撮影 = [[ジェフリー・アンスワース]]
| 編集 = レイ・ラヴジョイ
| 配給 = [[メトロ・ゴールドウィン・メイヤー]]
| 公開 = 1968年4月6日 {{flagicon|USA}} 1968年4月11日 {{flagicon|Japan}}
| 上映時間 = 141 分(途中休憩含まず)
| 製作国 = [[イギリス]] [[アメリカ合衆国|アメリカ]]
| 言語 = [[英語]]
| 制作費 = $10,500,000
| 興行収入 =
| 前作 =
| 次作 = 2010年
| allcinema_id = 16912
| kinejun_id = 6800
| amg_id = 1:169
| imdb_id = 0062622
}}
{{文学}}
『'''2001年宇宙の旅'''』(にせんいちねん うちゅうのたび, ''2001: A Space Odyssey'')は、[[アーサー・C・クラーク]]と[[スタンリー・キューブリック]]がアイデアを出しあってまとめたストーリーに基いて製作された[[SF映画]]および小説であるんや。[[映画]]版はキューブリックが監督・脚本し、[[1968年]][[4月6日]]にアメリカで初公開されたちうわけや。
== あらすじ ==
{{ネタバレ}}
=== 人類の夜明け ===
遠い昔、[[猿人|ヒトザル]]が他の獣と変わらへん生活をおくっとった頃、謎の物体がヒトザル達の前に出現する。やがて1匹のヒトザルが物体の影響を受け、動物の骨を道具・武器として使う事を覚えたちうわけや。獣を倒しようけの食物を手に入れられはるようになりよったヒトザルは、反目する別のヒトザルの群れに対したかて武器を使用して殺害し、水場争いに勝利する。
時は過ぎ、月面で人類が住むようになりよった現代、[[アメリカ合衆国]]宇宙評議会のヘイウッド・フロイド博士は、[[月]]のティコクレーターで発掘した謎の物体「[[モノリス]]」を極秘に調査するため、月面クラビウス基地に向かう。調査中、400万年ぶりに太陽光を浴びたモノリスは強力な信号を木星(小説版では土星)に向けて発したちうわけや。
=== 木星使節(ジュピター・ミッション) ===
18か月後、宇宙船ディスカバリー号は木星探査の途上にあったちうわけや。乗組員は船長のデビッド・ボーマンとフランク・プールら5名の人間(残りの3名は出発前から人工[[冬眠]]中)と、史上最高の[[人工知能]]HAL(ハル)9000型コンピュータやったちうわけや。
順調に進んどった飛行の途上HALは、ボーマン船長にこの探査計画に疑問を抱いておる事を打ち明ける。その直後HALは船の故障を告げるが、実際には問題へんかったちうわけや。ふたりはHALの異常を疑い、その思考部を停止させるべく話し合うが、これを察知したHALが乗組員の殺害を決行する。すなわち、プールは船外活動中に[[宇宙服]]をカンペキに破壊され、人工冬眠中の3人は[[生命維持装置]]を切られてまう。
唯一生き残ったボーマン船長はHALの思考部を停止させ、探査の真の目的であるモノリスの件を知ることになる。
=== 木星 ほんで無限の宇宙の彼方へ ===
ひとり探査を続行した彼は木星の衛星軌道上で巨大なモノリスと遭遇、驚愕の体験を経て人類を超越した存在・スターチャイルドへと進化を遂げる。
(続編の映画『2010年』冒頭によると、月のモノリス発見が1999年、ディスカバリー号内の出来事が2001年)
== 映画版と小説版 ==
キューブリックが[[異星人]]とのファーストコンタクトを描く映画を撮影すると決めたときに、その科学考証や共同脚本やらなんやらをクラークに依頼をしたちうわけや。
クラークはすでに[[宇宙人]]と人類のファーストコンタクトを描いた、『前哨』ちう小説を[[1948年]]に発表しとったちうわけや。のちにクラークが発表した『失われた宇宙の旅2001』によると、キューブリックとクラークがアイデアを出し合い、まずはクラークが「小説」としてアイデアをまとめあげ、その後キューブリックが脚本を執筆しておる。
そやから、小説版が原作として先に書かれたもんであると勘違いされることが多いが、小説は映画の公開の後に発表されておる上、その小説にはクラーク独自の解釈がかいなり取り入れられておることからも、小説版と映画版はようわかるように区別する必要があるんや。
映画と小説版では若干ストーリーが異なっており、例としてディスカバリー号の目的地は、小説版では[[土星]]やけど、輪の特撮が困難ちうことで、映画版では[[木星]]となりよった(小説ではクラークの意向により、木星を利用した[[スイングバイ]]ちう設定を用い、土星と木星両方にディスカバリー号を行かせておる)。
HAL 9000の反乱の要因や、ラストの展開も、小説版は論理的に説明づけられておるんに対し、映画版は謎めいた展開となっておる。こら当初、映画冒頭に科学者らが人類の進化やらなんやら作中の話題に関して語るインタビュー映像が予定され、また全編にわたってストーリーを解説するナレーションをぶちこむ予定やったもんが、過剰な説明が映画からマジックを奪うことを恐れたキューブリックが、インタビューもナレーションもずぅぇえええぇぇええんぶ削除してしもたため、何の説明もへん映像が映画全編にわたり続くことになりよったさかいであるんや。
また、ヒトザルとモノリスの遭遇は小説では300万年前ちう設定やけど、映画では400万年前とされておるやらなんやら、細かいな点の相違は多い。
後にクラークが執筆した『[[2010年宇宙の旅]]』は、パラレルワールドとされ、ストーリーのようけの部分は続編の形を取りながら、主な舞台は木星周辺となっており、そこだけは映画版と同一になっておる。「宇宙の旅」シリーズは4作執筆されており、シリーズ作品みなの作中設定は前作までのようけの部分を踏襲してはおるが、基本的にはパラレルワールドであるとあとがきやまえがきで触れられておる。
== 製作から公開 ==
映画版は[[1965年]]に制作を開始し、イギリスの[[メトロ・ゴールドウィン・メイヤー]] BRITISH STUDIO で撮影されたちうわけや。翌[[1966年]]5月までに俳優の演技シーンを撮り終えたが、[[SFX]]シーンの完成までさらに1年半以上を費やしたちうわけや。アメリカ大都市での試写会の結果、キューブリックはフィルムの19分間をカット。一般公開は当初予定の[[1966年]]から1年4か月遅れ、[[アポロ11号]]が月面着陸を果たす前年の[[1968年]]に公開されたちうわけや。予算は予定の600万ドルを超過し1,050万ドルに達したちうわけや。
公開当時、台詞や説明を極力省き、視覚表現で観客の意識に訴えるちう作風は極めて斬新やったちうわけや。映像のクオリティーや「人類の進化と[[地球外生命体]]の関係」ちう哲学的なテーマを賞賛する声の一方、抽象的な内容やどエライ難解な結末を批判する意見もあり、賛否両論の渦が巻き起こったちうわけや。公開直後は興行成績が悪かったが、再公開を経て評価が高まり、現在では世界映画史に残る不朽の名作のひとつとして認識されておる。やまとの[[文部科学省]]が「特選」に指定しておる、唯一のSF映画としたかて知られておる。
公開前の試写の段階では公開直後よりもさらに評判が良うなく、キューブリックは再編集を余儀なくされたちうわけや。また、台本の段階と比較したかて様々な点に変更が加えられておる。
例うたら、『美しく青きドナウ』に乗って現われる地球軌道上の[[人工衛星]]は、最初の台本では各軍事大国の「[[核爆弾]]」やったちうわけや。それらをスターチャイルドが除去するラストシーンが予定されたが、キューブリック監督の前作『[[博士の異常な愛情]]』の有名なラストシーンを連想させることもあり変更になりよったちうわけや。なお続編の小説『[[2010年宇宙の旅]]』では、地球に出現したスターチャイルド(ボーマン)が戯れに軌道上の核爆弾を爆発させるシーンがあるんや。
また、当初のアイディアでは、モノリスは実際の作中のような黒い石柱状の物体やのうて、透明なもんにする予定やったちうわけや。せやけど当時はまや、透明度を保ったまんまアクリル板を繋げる技術に限界があったため、やむなく却下されたちうわけや。また、大元である『前哨』では、異星人が月に残していった装置は[[ピラミッド]]型やったちうわけや。
本作の持つ、それまでの[[SF映画]]に対する認識を根底から覆すような高品質なSFX技術は、後のSF映画みなに影響を与えておるとゆうても過言ではおまへん。オープニングやらなんやらでは[[モンタージュ]]が駆使されたちうわけや。カメラマン出身で撮影技術に長けたキューブリックは、SFX撮影スタッフと共に「フロントプロジェクション」や「スリットスキャン」といった新たな撮影方法を考案。本作は1968年の[[アカデミー賞]]特殊[[アカデミー視覚効果賞|視覚効果賞]]を受賞、また[[1969年]]の[[ヒューゴー賞]]も受賞したちうわけや。
やまとでの初公開時(1968年)は70mmフィルムの大画面方式で上映し、東京の[[東京テアトル|テアトル東京]]、大阪の[[オーエス|OS劇場]]やらなんやらの大規模映画館ではシネラマ方式で上映されたちうわけや。また名古屋の[[ヘラルドグループ|中日シネラマ劇場]]ではオーバーチュアの部分に3色のライトを回しながらスクリーンに写し出すゆうオリジナルには無い演出をしたちうわけや。更に、テアトル東京の劇場前広場には、公開から暫らくして、黒色モノリスのほぼ実物大の模型が宇宙服の人形と共に展示されたちうわけや。興行的にはヒット作とは言えへんかったが、その年の暮れ、ようけの新聞・雑誌の年間ベスト10で高評価され、翌春、「凱旋興行」と銘打ってテアトル東京で再上映された(こら全席自由席・入れ替え無しやった)。
その後、初公開から10年後の[[1978年]]にもっかいロードショー上映され、折からのSFブームをフォローアップする形となりよったちうわけや。作品の設定年である[[2001年]]にも「新世紀特別版」としてノーカット版で公開されておる。このヴァージョンでは35mmフィルムで70mmサイズを再現しておる。
初公開の年の暮れ、1968年12月、[[アポロ8号]]が史上初めて月の裏側を廻って帰還したが、その時撮影された月面入れ込みの地球の写真が本作のそれにそっくりで、改めて本作の特撮のクオリティが示されたちうわけや。また、アポロ8号の船長の名がフランク・ボーマンで、本作の登場人物のふたり、フランク・プールとデヴィッド・ボーマンの名前が含まれておることが、偶然とはいえ話題になりよったちうわけや。
公開からかいなり時間が経った後も、本作品は高い評価を持ち続けておる。「[[AFI]]アメリカ映画100年」シリーズでの順位は、10年間で7つ、ランクが上がっておる。
* 1998年 : アメリカ映画ベスト100 - 第22位
* 2007年 : アメリカ映画ベスト100(10周年エディション) - 第15位
* 2008年 : SF映画部門第1位
また、
* 2001年 : スリルを感じる映画ベスト100 - 第40位
* 2003年 : ヒーローと悪役ベスト100 - HAL9000コンピューターが悪役の第13位
やらなんやらの評価があるんや。
1991年には[[アメリカ国立フィルム登録簿]]に永久保存登録されたちうわけや。
== 音楽 ==
映画版では、[[リヒャルト・シュトラウス]]の『ツァラトゥストラはかく語りき』によるオープニングや、月へ向かう場面での[[ヨハン・シュトラウス2世]]の『[[美しく青きドナウ]]』、ディスカバリー号が木星に向かう途上での[[アラム・ハチャトゥリアン]]『ガヤネー([[ガイーヌ]])』からアダージョ、モノリスに遭遇する場面での[[ジェルジ・リゲティ]]の『レクイエム』、月面を低空飛行する場面でのリゲティの『ルクス・エテルナ』、上映前の場内BGMおよび休憩BGM(リヴァイヴァルでは黒味のまんま映写)にはリゲティの『アトモスフェール』、ラストねきでのめくるめく異次元への突入にはリゲティの『アトモスフェール』『ヴォルーミナ』やらなんやら、全篇にわたって[[クラシック音楽]]が用いられておる。
それまで、未来的イメージの[[電子音楽]]やらなんやらが用いられはることが多かったSF映画で、これ以後通常のオーケストラ音楽が主流になるきっかけとなりよったちうわけや。
キューブリックは、最初は自らの『スパルタカス』の音楽を手がけた作曲家[[アレックス・ノース]]に作曲を依頼し、前半部分まで完成したスコアの録音まで完了しとったちうわけや。せやけど、それ以降は一切の連絡もへんまんまノースの音楽を没にし、リヒャルト・シュトラウスやらなんやらの音楽に差し替えてまう(ノースがそのことを知ったんは、試写会の会場やった)。
その上、リゲティには一切映画についての説明や承諾もへんまんま、彼の曲を4曲も採用したちうわけや。リゲティが[[印税]]を受け取ったんは、[[1990年]]頃になってからやちう。
ノースの死後、友人の作曲家[[ジェリー・ゴールドスミス]]は没になりよった音楽を録音して世に出したちうわけや。やまとでも[[1993年]]に『2001年〜デストロイド・ヴァージョン』としてCDが発売されておる。
なお、メインタイトル、「人類の夜明け」、ラストと3回使われておる『ツァラトゥストラはかく語りき』の演奏はカラヤン指揮ウィーン・フィルのデッカ録音やけど、デッカが演奏者名を出さへん事を許諾の条件としたさかい、映画のクレジットでは曲名しか表示されておらへん。
当初のサウンド・トラック盤(ポリドール)にも映画とはまるっきしちゃうベーム指揮ベルリン・フィルの録音が収録されとったが、1999年のEMI盤には映画通りの演奏が入り、その名の通りのサウンド・トラック盤となっておる。
公開直前のニューヨークでの試写では、最終的に使用された曲やのうて、全編に[[ピンク・フロイド]]の曲を使用したもんを上映したが、評判が良うなく元のクラシックに戻したと云う経緯があるんや。そやから、ピンク・フロイドの1971年のアルバム「おせっかい」に収録の24分に及ぶ大曲「エコーズ」を「木星 ほんで無限の宇宙の彼方へ」のテロップが表示されたタイミングに合わせ再生すると、ラストシーンまで同期する。
== 科学考証 ==
=== 正しい例 ===
SFは「サイエンス・フィクション」の略であるが、科学考証([[SF考証]])に耐えうる作品はその一部しかいなく、映画では特に少へん。本作は例外的と言えるほど、科学的に正しく描写されておるちう主張があるんや。
また、単に科学的に正しいだけでなく、工学的予測としたかて秀逸なもんもあり、21世紀の目にも堪えうる(例うたら、航空機にみられはるような[[グラスコックピット|航行に必要な情報を集約して表示するディスプレー装置]]やらなんやら)。科学的に正しい描写としては、例うたら次の様な部分が挙げられはる。
;宇宙空間では音が聞こえへん
:空気のへん宇宙空間では、音を伝える媒体が無く、物理的に音が聞こえることは有り得へん。やけど、ようけのSF映画、『[[アポロ13]]』のような実録もんやらも、宇宙船がエンジンをふかしたり宇宙空間で爆発が起きたりすると、なんらかの効果音を付けてもうておる。せやけど本作ではその点、科学考証を厳格に守り、船外のシーンでは(BGMを別にして)一切の効果音を排除し、聞こえるんは無線を通じた呼吸音やノイズのみに限定しておる。
;ディスカバリー号の全体が細部までよう見える
:空気のへん宇宙空間では、空気の密度の不均一性による光の[[屈折]](不均一性が経時的に変身する場合そら「ゆらぎ」となって現れる)は原理上存在せへんし、漂う塵による光の[[散乱]]も少へん。したがって相当遠方にある被写体であっても、ピント(フォーカス)さえ合っていれば、地球の[[大気圏]]内で撮影するよりはるかに鮮明な像となって撮影される(人間の目にも映る)はずであるんや。実際この作品では、宇宙空間を航行するディスカバリー号の映像は、あたかも(宇宙空間上の)遠方から捉えてピントを合わせたかのような細部が全体にわたって均質な克明さで表現されておる。
:撮影に使用されたディスカバリー号の最大の模型は、質感をだす等のために十数mの相当大きなもんやったちうわけや。こへんな風な被写体に対して、あたかも遠方からピントを合わせたかのような像を得るためには実際に何百メートルも離れた場所から撮影するっちうことも考えられはるが、それには撮影スタジオの物理的制限、さらには上述の屈折や散乱が顕著になること等の問題があったことは想像に難へん。この作品では、カメラの絞りをどエライ絞り、[[パンフォーカス]]の効果によって全体にピントの合ったような像を得るちう撮影がされたちうわけや。絞った為に足りなくなりよった光量を補うために、1コマあたり10分以上の露光時間で撮影されたちうわけや。こら、1秒分の撮影に、露光時間だけで4時間以上をかけたゆうことであるんや。なお(この作品はそうはなっておらへんが)船体の一部にピントが合ってて、その他の部分はボケてておるような映像やったとしたかて不合理ではおまへん(近傍から撮影した状況を想定するやったらばそへんなるはず)。あえて遠方から捉えたような映像にしたんは、ピントずれによるボケが、屈折・散乱によるボケと誤解されるのを避ける意図もあったかもしれへん。
;惑星の分光分析
:小説版ではディスカバリー号が[[小惑星帯]]を航行中、ねきを通過する小惑星に重金属の塊をぶつけて分光分析を行う。2005年にはNASAの彗星探査機ディープ・インパクトが同じようなことを実際に行っておる。
=== 間ちごておると誤解を受けやすい正しい例 ===
さらに、一見間ちごておるように見えても、間ちごておらへんトコも存在する。
;飲みかけの飲料がストローを下ってコップに戻っておる
:[[無重量]]状態では起こりえへんと考えがちであるが、ストローの液体面が上昇するんは[[気圧]]差によるもんなんやし、それがなくなったら液体は表面積を小さく保とうとし、この現象は起こりうるとされておる。
;ボーマン船長がポッドからディスカバリー号へ戻る時に、宇宙服のヘルメットなしで[[真空]]中に出るシーンがある
:一般的には真空中に出ると体が爆発したり[[血液]]が[[沸騰]]するやらなんやらちうイメージが浸透しておるが、実際は短時間やったら科学的に可能と考えられておる。
:せやけど、本作のこのシーンのように、息を深く吸い込んで口を閉じた状態で真空中に出ると、肺の中の空気が膨張し、肺に大きな損傷を与える危険が大きい。真空中に出る際は、口を開け、肺の中の空気が自然に排出されるようにすべきであるんや。
:もっともっともっともこのシーンで息を止めてはいけへん事について、クラークは理解しとり、デュリアに説明するつもりではいたが、撮影当日たまたまスタジオに居へんかったため、その機会がへんかったちうわけや。と後にエッセイで述べておる。
=== 間ちごておる例 ===
せやけど、一部には間ちごた描写をしておる部分もあるんや。そら、例うたら、以下の様な描写であるんや。
;ディスカバリー号の背景で星が動いて見える
:ディスカバリー号の速度では、背景の星が動いて見えるはずはへんが、動いておる。
;ディスカバリー号の影の部分が見える
:通常、影の中にあるもんを見ることができるんは、周囲の物体で散乱せやへんかったら[[反射]]された光が影の部分にも到達しておるさかいなんやし、周囲に物体のへんディスカバリー号は、太陽光およびディスカバリー号自身の光が直接当たらへん部分はなあんも見えへんはずであるんや。
;外部との通信のシーンで、お互い真正面を向いておる
:ディスカバリー号での外部との通信のシーンで、お互い真正面を向いて会話をしておる。モニターを見ておるやったらば、カメラと目が合わへんし、カメラを見ておるやったらモニターから視線がそれるはずで、「モニターにカメラがついてなければケッタイな」ことになる。
:(せやけど、この点は、後にTVスタジオやらなんやらで使われるようになりよったプロンプターのようなもんが一般化されていれば、モニター中央の裏側にレンズが付いておるわけやから目線が合っても不思議は無いのやけど、現実の2001年時点ではまだここまで行っておらへん)
;真空中やんに宇宙服に膨らみがやへん
:とりわけ手袋、靴部分に注目。
;宇宙服から素肌が見えておる
:HAL9000の暴走に対する最終措置として、ボーマンがメモリーセンターに入り、HAL9000の機能を止めようとするシーンで、左翼手の手袋と宇宙服から手首の地肌が露出してもうておる部分があるんや。高画質の映像を何度も見直さへんと気付かいへんほどに細部のミスなんやし、本作中唯一のミスやとする意見もあるんや。
=== やむを得へんし、せやへんかったら敢えて間ちごた描写をしておる例 ===
また、仮に間ちごておると気づいとったとしたかて技術的に間ちごた描写をやむを得ずせざるを得へんかった場合もあるんや。せやへんかったら映像美、観客への配慮のために、一部にはわざと間ちごておる描写を採用しておる事例もあるんや。そら、例うたら、以下の様な描写であるんや。
;ディスカバリー号に放熱板があらへん
:宇宙空間での排熱は[[放射|輻射]]による方法しかいへんため、広い放熱板が必要なはずであるんや。放熱板のあるディスカバリー号のデザインも検討されたが、どうしたかて“翼”に見られ「宇宙空間で役立たへん翼があるんや!」思われる危険性があったさかい却下され、[[精子]]をモチーフにしたデザインが採用されたちうわけや。
;月面でのロケット着陸に伴う逆噴射時に、周辺に砂煙が立っておる
:[[月]]面ちう真空中では、砂やらなんやら何ぞの反動で舞い上げられはったもんはいかに小さくとも、みな空中に漂わず[[放物線]]を描くように落下する。これを撮影するには、1960年代ちう[[コンピュータグラフィックス|CG]]やらなんやらがあらへん時代ではセット中の空気を抜く必要があるが、技術や予算の問題で不可能やったため思われておる。
;宇宙ステーションの回転速度がシーンによって異なる
:『[[美しき青きドナウ]]』がバック流れにあわせ、宇宙ステーションの回転速度を変身させておる。「宇宙船にダンスを踊らせる」ちう意図に基づくもんであるんや。
;ディスカバリー号のエアロックが大きすぎる
:『[[SFマガジン]]』2001年5月号において、青井邦夫がCGを用い、作中に登場するセットが、みなディスカバリー号に収める事が可能か検証を行ったちうわけや。その際、特にエアロックが大きすぎるため、あんじょう収容できへん。と指摘しておる。エアロックは乗組員数人がぶちこむ程度の大きさで十分なんやし、実際に作中ほどの大きさは必要へん。エアロックから進入するシーンを印象的にするためのもんであるんや。
;宇宙服のヘルメットが透明
:もっともっともっと反射度を高くせんと紫外線でやけどを負う。俳優の表情を映し出すのをヒイキした思われる。
;モノリスと太陽の位置がケッタイな
:400万年前のシーンで、朝日やんにモノリスの真上に太陽があるんや。また、月面のモノリスについても同じずれがあるんや。絵コンテでは太陽は横に描かれておったさかい、印象の強さをヒイキしての画面構図思われる。
;木星と衛星群の三日月具合がケッタイな
:か細い三日月姿の木星を映したカメラがゆっくり首を画面上に振る。と、縦一直線に並んや衛星群が順に現れる。どの衛星も木星と同じ三日月姿。やけど木星がか細い三日月やとすると地平線すれすれに太陽があらへんからはケッタイな。しかもその場合、他の衛星群の昼(三日月)の部分は木星のそれと正反対に向いていなうてはいけへん。モノリスへの視線誘導をヒイキした思われる。
=== 正しいか間違いか判別できへん例 ===
;ディスカバリー号の船内の音が地上と同様に聞こえる
:もし船内の空気組成が地球上と異なるやったら(船体構造上は気圧が低い方が有利なため、宇宙開発初期には3分の1気圧の純酸素を用いた例があるんや)船内の音が変身するはずやけど、そへんな設定があるかどうかは不明。
:なお、宇宙船内の気圧と宇宙服内の気圧が大きく異なる場合は着用から船外に出るまでに時間をかけて体を低気圧に慣らしていくが、『2001年』にはそへんな描写があらへん。21世紀初頭の現実の宇宙船は1気圧、宇宙服は0.3-0.4気圧で運用されており、より高い気圧で運用できる宇宙服の開発が検討されておる。
;ボーマンが宇宙艇の扉を爆発させて一気にディスカバリー号に飛び移る時、宇宙艇が動かいへんように見える
:艇内の空気を一気に吐き出す反動とボーマンの運動量の反動で、宇宙艇自体にも反対方向への運動量が与えられはるはずやけど、それが目に見えるほどの速度となって現れるかどうかは、噴出した空気の量や速度、宇宙艇自体の質量やらなんやらに依存する。
:プール副長をはね飛ばした別の宇宙艇は高速で自転しながら宇宙の彼方に消えていったが、宇宙ステーションの回転速度を変身させたように、演出効果のために実際以上に高速で回転させとった可能性もあり、このシーンから宇宙服を着こんや人間ひとり分の質量による運動量の変身を推定するっちうことはできへん。また小説『2010年宇宙の旅』には、ボーマンの突入時に宇宙艇ははね飛ばされて、のちに無線で呼び戻したゆう記述があるが、どんやけの速度が出とったかは記されておらへん。余計なお世話やけどプール回収時にボーマンの宇宙艇がわずかに揺れるが、こら撮影スタジオの天井から宇宙艇のセットを吊るして撮影したからであるんや。
== 豆知識 ==
*当初、キューブリックは美術担当として漫画家の[[手塚治虫]]の協力を仰いやけど、当時の手塚は連載漫画の他に、TVアニメ番組を多数抱え、やまと国外での映画製作に携わる事は物理的に不可能やった為、オファーを断った(手紙自体は紛失してしもたらしいが、封筒の写真は手塚のエッセイ本に掲載されておる)。
* 監督の[[スタンリー・キューブリック]]は[[1999年]][[3月7日]]に[[死|死去]]したさかい、生きて「2001年」を迎えることはかいなわへんかったちうわけや。
*映画中、「スペースシャトル」の運航会社として、今は無き"パンナム"([[パンアメリカン航空]])が登場しとったちうわけや。
* 宇宙ステーションでの音声認識装置の操作板をよう見ると、言語選択肢に「JAPANESE」があるんや。
* ディスカバリー号乗員の船外作業服の背後をよう見ると、腰のあたりに噴射口が四方に向かっておる。姿勢制御用ロケット思われる。
* フロイド博士が宇宙ステーション「5」からテレビ電話をかけるシーンに登場する博士の娘は、キューブリック監督の実の娘(ビビアン・キューブリック)であるんや。
* ディスカバリー号の遠心機内部をプール副長がジョギングする場面をよう見ると、計器類に混じって鍵盤が見える。こらボーマン船長はジャズ・ピアノ好きちう初期設定(公開前に流れたプレス情報から)の名残思われる。
* 序盤のシャトルが宇宙ステーションに入港するシーンで、コクピットのモニターに位置情報を示す[[ワイヤーフレーム]]CGが映っておるが、当時はまだ[[コンピュータグラフィックス]]ちう能書きそのもんが知られていへんかった時代なんやし、画像も手描きで制作されておる。
* フランスでは[[2002年]]末に、この映画を制作したキューブリックが[[アポロ計画]]の月面着陸映像を人工的に造り上げ、それをアメリカが同計画の[[でっち上げ]]に用いたとする、ジョーク作品の『Opération Lune』が作成放送されたちうわけや。[[アポロ計画陰謀論]]を参照。
* クラークは本作冒頭のシーンにおけるヒトザルのメイクアップを高く評価しとり、[[アカデミー賞]]において本作やのうて『[[猿の惑星]]』がメイクアップ部門で大賞を獲ったことに対し、「審査員は『2001年宇宙の旅』の冒頭に出てくるんは、本物の猿やと勘違いしておったさかい、本作は選ばれへんかった」と皮肉を込めたコメントをしておる。
* どの宇宙船も宇宙に浮かぶ地球や月や木星を画面内で滅多に横切らへん。合成の簡略化を狙った思われる。
* 宇宙ステーションから月基地に向かう球形の宇宙船「アリエス」のパイロットは、『[[謎の円盤UFO]]』でS.H.A.D.O.のストレイカー最高司令官を演じた[[エド・ビショップ]]であるんや。
*宇宙ステーションの[[ホテル]]として、[[ヒルトン]]ホテルが登場したちうわけや。
== スタッフ ==
* [[製作]]・[[映画監督|監督]]:[[スタンリー・キューブリック]]
* [[脚本]]:スタンリー・キューブリック/[[アーサー・C・クラーク]]
* 撮影監督:ジェフリー・アンスワース
* 特殊効果監督:スタンリー・キューブリック
* [[SFX]]:ウォーリー・ビーバーズ/[[ダグラス・トランブル]]/コン・ペダースン/トム・ハワード
* [[特殊メイク]]:スチュアート・フリーボーン
== キャスト ==
* デビッド・ボーマン船長:キア・デュリア
* フランク・プール:ゲイリー・ロックウッド
* ヘイウッド・フロイド博士:ウィリアム・シルベスター
* HAL 9000(声):ダグラス・レイン
* 月を見るもん(ヒトザル):ダニエル・リクター
* スミスロフ:レナード・ロシター
* エレナ:マーガレット・タイザック
* ハルボウセン:ロバート・ビーティ
* マイケルス:ショーン・サリヴァン
* 作戦管制官:フランク・ミラー
* フロイドの娘:ビビアン・キューブリック
* ミラー:ケビン・スコット(ノンクレジット)
=== やまと語吹替 ===
{| class="wikitable"
|-
! 役名 / 吹替役名
! 俳優
! やまと語版
|-
| デビッド・ボーマン船長 || キア・デュリア || [[堀勝之祐]]
|-
| フランク・プール || ゲイリー・ロックウッド || [[小川真司]]
|-
| ヘイウッド・フロイド博士 || ウィリアム・シルベスター || [[小林昭二]]
|-
| HAL 9000(声) || ダグラス・レイン || [[金内吉男]]
|-
| スミスロフ || レナード・ロシター || [[坂口芳貞]]
|-
| ミラー || ケビン・スコット || [[阪脩]]
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|}
*やまと語版1:初回放送、1981年10月25日テレビ朝日『[[日曜洋画劇場]]』(3時間枠ノーカット放送)、翻訳:飯島永昭
== 関連項目 ==
* [[2010年宇宙の旅]]
** 2010年 (映画)
* [[2061年宇宙の旅]]
* [[3001年終局への旅]]
== 参考文献 ==
* [[アーサー・C・クラーク]]『決定版 2001年宇宙の旅』(全面改訳版)ISBN 415011000X
* アーサー・C・クラーク『失われた宇宙の旅2001』(エッセイ。草稿、短編「前哨」掲載)ISBN 4150113084
* ジェローム・アジェル『メイキング・オブ・2001年宇宙の旅』ISBN 4789712753
* ピアーズ・ビゾニー『未来映画術「2001年宇宙の旅」』(もう一つのメイキング資料集)ISBN 4794963033
* [[巽孝之]]『「2001年宇宙の旅」講義』ISBN 4582850928
* [[町山智浩]]『映画の見方がわかる本―「2001年宇宙の旅」から「[[未知との遭遇]]」まで』ISBN 4896916603
== 外部リンク ==
* [http://www.underview.com/2001.html Underman's 2001] (en)
* [http://www.palantir.net/2001/ 2001: A Space Odyssey Internet Resource Archive] (en)
{{スタンリー・キューブリック監督作品}}
{{宇宙の旅シリーズ}}
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[[Category:宇宙の旅シリーズ|2001]]
[[Category:スタンリー・キューブリックの監督映画]]
[[Category:1968年の映画]]
[[Category:1960年代の特撮作品]]
[[af:2001: A Space Odyssey (rolprent)]]
[[als:2001: Odyssee im Weltraum]]
[[bg:2001: Космическа одисея]]
[[bn:২০০১: আ স্পেস অডিসি (চলচ্চিত্র)]]
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[[da:Rumrejsen år 2001]]
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[[gl:2001: A Space Odyssey]]
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[[la:2001: A Space Odyssey]]
[[lv:2001: Kosmosa odiseja (filma)]]
[[mk:2001: Вселенска одисеја (филм)]]
[[nl:2001: A Space Odyssey]]
[[no:2001: En romodyssé]]
[[pl:2001: Odyseja kosmiczna (film)]]
[[pt:2001: A Space Odyssey]]
[[qu:2001: A Space Odyssey]]
[[ro:2001: O odisee spaţială (film)]]
[[ru:Космическая одиссея 2001 года]]
[[simple:2001: A Space Odyssey]]
[[sk:2001: Vesmírna odysea]]
[[sl:2001: Odiseja v Vesolju (film)]]
[[sr:2001: Одисеја у свемиру]]
[[sv:2001 - Ett rymdäventyr (film)]]
[[th:2001 จอมจักรวาล (ภาพยนตร์)]]
[[tr:2001: Bir Uzay Destanı (film)]]
[[uk:Космічна одіссея 2001 року (фільм)]]
[[zh:2001太空漫遊 (電影)]]
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